マーローの町 - 036 | 遠い夏に想いを

遠い夏に想いを

アメリカ留学、直後の72年の夏に3ヶ月間親子でパリに滞在。その後、思い出を求めて度々訪欧。

遠い夏に想いを-marlow town02  パウンド・レーンという商店街にでた。町並みが切れるところまで歩くとインフォメーション・センターがある。木造の小さな平屋だ。パフレットが置いてあり、張り紙などで情報が掲示されている。ここでマーローのことを聞いてみた。建物の裏は芝生と木々があり、その向こうにテムズが見える。


遠い夏に想いを-higginson  ヒギンソン・パークの芝生と木々の中を歩いて行く。ここにはコートガーデンという18世紀の建物もある。こもれ陽がちらつく広い緑地帯を抜けると、そこにはテムズが流れている。





遠い夏に想いを-marlow  川岸には沢山のボートが係留され、静かな川面に微かにゆれている。川下には白い吊橋のマーロー・ブリッジが架かっており、左側には教会の塔がそびえている。白鳥や鴨や雁が水面を泳ぎまわり、まさに絵に描いたような景色だ。川幅が随分広い。下流のロンドン市内を流れるテムズとさして変わらない。ロックごとに水をせき止めているからだろうか。


 日本では考えられないほど水がゆったりと流れる。日本の大型河川は上流にダムや貯水池を作ってしまうので下流が痩せてしまう。それと日本は如何に山国なのかが分る。イギリスで一番高い山はスコットランドにあるベン・ネイビス山で1340メートルしかない。国全体が丘陵地帯でゆったりとしているから、流れる川もゆったりと流れるのだろう。



遠い夏に想いを-color pencil
 ゆったり流れる川面を眺めながら、川岸に沿ってマーロー・ブリッジの方へゆっくり歩く。心地よい陽の光を浴びながら、時々深呼吸をして空気の美味しさを味わう。冬の寒さがなかったら、こんなところに住んでみたいものだ。(上の色鉛筆画はホテルのそばの白い水しぶきをあげるせき)



遠い夏に想いを-water color
 「ボートの三人」には『僕の知っている限りでは、マーローはテムズ河畔の中心地の一つである。それは人出の多い活気のある町だ・・・・マーローからソニング(数百メーター上流にある)までは、さらに一段と美しい』とある。こんな美しいところに住んだら命の洗濯が出来ようというものだ。(上の水彩はマーロー橋の遠景)


遠い夏に想いを-copleat angler  テムズをはさんで教会の対岸にはコンプリート・アングラー・ホテルがある。吊橋は車が通れるようになっており、橋の左右に申し訳程度の歩行者用通路がついている。この橋からの眺めは素晴らしい。川下側にはせきがあり、川の水が白い泡になって右側に落ちている。なんとも清々しい光景だ。堰(ロック)を通るのに順番待ちをしているボートが10隻ばかり。


 ミネソタの遠い日々 - New (「留学を終えて」を掲載) -
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