更にテムズ上流に向かって - 035 | 遠い夏に想いを

遠い夏に想いを

アメリカ留学、直後の72年の夏に3ヶ月間親子でパリに滞在。その後、思い出を求めて度々訪欧。

遠い夏に想いを-paddington  今日はテムズを更に上流に向って、日帰りでマーローとヘンリーに足を伸ばしてみようと思う。朝から雲の少し多い空だったが、だんだん晴れてきて気持ちが良い。国鉄の汽車に乗らなければならいので、地下鉄でパディントン駅に行く。パディントンといえば有名な「パディントン・ベア」が迷子になった駅である。


 駅はかまぼこ型のアーチ状でがらんと広い。1838年に開業した。ヨーロッパの大都市ではどこでも見られる駅だ。駅のホームの端にはタクシーが入ってこられる通路がある。汽車は空いていて、車内はガラガラだ。我々の車両には4~5人の乗客しかいない。


 テムズ上流といえば、まず、ウィンザーが最初に浮かぶ。ウィンザーはハンプトン・コートより上流だが、どうゆう訳か、この時はウィンザーを訪れてみようと思わなかった。ウィンザー城はウイリアム征服王がここに木造の要塞を築いたのがはじまりらしい。ウィンザーは今でも英王室が使っている宮殿で、週末にはエリザベス女王が滞在するという。「ボートの三人」でも当時から町らしい町だとほめている。


遠い夏に想いを-maidenhead thames  汽車はやがて緑の林を抜け、メイドンヘッドのテムズ鉄道橋を渡る。とても美しい。もうすぐ、メイドンヘッドに着く。




 
遠い夏に想いを-maidenhead station マーローに行くにはここで支線に乗り換えなければならい。乗り換えの待ち時間で、メイドンヘッドの町に立ち寄ってみることにした。残念ながらテムズまで行くには時間がない。




遠い夏に想いを-maidenhead  仕方なくメイドンヘッドの町を散歩する。町までは少し歩くが、街並はどうとゆうことのないところだ。一時間ばかりぶらついて駅までもどる。「ボートの三人」には『メイドンヘッドはどうも俗物的な感じで、愉快な町ではない着飾った女を連れた洒落者がうろうろしている町である』とあるが、今ではそんな気配もない町である。


遠い夏に想いを-way to marlow  マーロー行きの列車もがらがらである。メイデンヘッドから4つ目だから、やがて車窓からテムズの田園風景が現れてくる。マーローで降りた人達は数えるほどしかいない。




遠い夏に想いを-marlow station  小さな駅で、まるで玩具の駅みたいだ。駅を出て町まで歩き、更にハイストリートを真っ直ぐテムズの方へ一キロほど歩いた。







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