リッチモンド・アポン・テムズ - 033 | 遠い夏に想いを

遠い夏に想いを

アメリカ留学、直後の72年の夏に3ヶ月間親子でパリに滞在。その後、思い出を求めて度々訪欧。

遠い夏に想いを-テムズ遠景  キングストンから汽車でリッチモンドに行く途中、テムズを渡る。そのときテムズに架かるリッチモンド橋の遠景が一瞬目に飛び込んだ。なんと美しい景色だろう。そう思って駅に着いた。



 リッチモンドの駅前は賑やかな繁華街だった。左に向かってくだり坂になっており、そのまま行くとテムズに出る。リッチモンドの駅は地下鉄の終点だし、ロンドンからも近い。昔はロンドンの郊外で、優雅な町だっただろうが、今は通勤者のベッドタウンと化している。

遠い夏に想いを-グリーン  まず、リッチモンド・グリーンに行ってみる。坂を下って途中まで行き、右に折れる。広い芝生の公園が見えてくる。公園といても芝生だけの単純なもので、いかにもイギリス的な広場である。ここには Richmond Palace があったそうで、ヘンリー七世がここで亡くなっており、メアリー一世の時代にエリザベス一世がここに捕らえれていたこともあり、そして1603年に息をひきとった場所もここらしい。ウイリアム征服王いらいこの場所は英国のパレスであった。エリザベスは独身で通したために、前女王メアリーの子でスコットランド王ジエームス六世が彼女の遺言でスコットランドとイングランドの王となり、ジェームズ一世となる。今は、館は残っていない。この後ろ側にはリッチモンド・パークという広大な面積をもつ公園があるのだが、今回は割愛することにする 


遠い夏に想いを-リッチモンド橋  そのままなだらかな坂を下ってゆくとテムズに出る。左手にリッチモンド・ブリッジの優雅で端正な姿が見える。この橋は1777年に建てられ、現在ではロンドン郊外を含めてテムズに架かる橋としては最も古いものである。絵画に描かれている橋の姿からみて、少し中央がせり上がったひし形のように思っていたが、実際はもっとなだらかな形をしている。


遠い夏に想いを-川岸建物  川のたもとにレンガ造りの建物と白い石造りの建物がたっている。両方にパブがあり、その前はテラスで、更にその下は広い遊歩道になっている。なんと川岸には大勢の若者が座り込んでいるではないか。まるで隅田川の花火大会のように人、人、人である。日曜日なので仕方がないのだろう。もっと静かなところを期待していたのに、期待はずれだった。静かに景色を楽しんでいるどころではない。早々に引き上げることにした。


遠い夏に想いを-駅前  チャールズに言わせると、リッチモンドはロンドン近郊の住宅地で郊外にもならない。地理的にはヒースロー空港より遥かにロンドンに近く、13キロほどしかない。カントリー・サイドを満喫するには、もっと遠くまで行く必要がある。








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