サクソン王たちの戴冠式礎石 - 032 | 遠い夏に想いを

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アメリカ留学、直後の72年の夏に3ヶ月間親子でパリに滞在。その後、思い出を求めて度々訪欧。

遠い夏に想いを-pizza express  昼食をとりに町まで行く。船着き場を上流に向かって、川沿いに歩くと、瓦葺きの屋根に、2階部分が白塗りで1階部分が黒塗りの、地方の作り酒屋の和風建築のようなイタリアン・レストランがあった。ピッツア・エクスプレスだ。ここでパスタランチを食べた。2階の窓側に座ってスパゲッティを食べながらテムズの景色を眺める。ここの店はかって立ち寄ったロンドンの大英博物館の近くにあるピッツア・エクスプレス(ここをクリック ) と違って、同じ系列の店なのだが、パスタを主に出している。ピッツア・エクスプレスにも店によって、ピッツア系とイタリアン・パスタ系があるらしい。ここから眺めるテムズの景色は人工的なところがなく、自然なところがいい。同じ眺めるにしても和泉多摩川の川岸に座って眺める景色とは余りにも違う。


遠い夏に想いを-alfred  キングストンはAD900年から1016年(最後に戴冠式がおこなわれたのは979年のエセルレッド王)までサクソンの7人の王が戴冠式を行ったところで、キングストンは英国王室の特別区になっている。





遠い夏に想いを-coronation  近くのギルドホールの近くに行くと、屋外に当時の戴冠式礎石が7本の柱に囲まれて保存されている。最初にここで戴冠式をおこなったのはエドヴァルド長兄王で、英国を統一したアルフレド大王の長男である。彼はアルフレド大王がやり残した領土の安定と制度の整備などを行ったサクソンの名王だった。この時代はヴァイキングによる略奪や、デーン人の侵略・駐屯が相次ぎ、イギリスにとっては異民族との戦いで大変な時期であった。現在の英王室の祖先であるウィリアム征服王が1066年にフランスから侵入してノルマン王朝を起こす以前のイギリスのサクソン王たちだ。


 「ボートの三人男」流に言えば、キニンゲストゥンとなるキングストンだが、ローマ時代にはシーザーの軍隊がここでテムズを渡ったらしい。


遠い夏に想いを-old bridge01  クラッターン・ブリッジという橋がこの町のテムズの支流に架かっている。その起原は12世紀に溯り、テムズではロンドンで一番古い橋だそうだ。


遠い夏に想いを-old bridge02











遠い夏に想いを-station  ここから町を抜けて駅まで歩いた。「ボートの三人男」には「南西鉄道」でロンドンからやってきて、キングストンで降り、テムズに出てボートに乗ったとある。だが今は、キングストン駅は国鉄の駅だ。



遠い夏に想いを-market house  1840年代に作られたマーケットハウスは洒落たイタリアンスタイルの建物でギルドホールとして使われていたらしい。キングストンの街は今ではロンドンの郊外で、商業施設が新しく建てられている。次は汽車に乗ってリッチモンドに行く。


 ミネソタの遠い日々 - New (「留学を終えて」を掲載) -
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