テムズ川を行く - 028 | 遠い夏に想いを

遠い夏に想いを

アメリカ留学、直後の72年の夏に3ヶ月間親子でパリに滞在。その後、思い出を求めて度々訪欧。

 今日はハンプトン・コートに行こうと思う。英国に来る度に、行こうと思っていて果せない場所だ。今回はテムズの上流に沿って行き、テムズにのぞむ町々を訪れたい。


遠い夏に想いを-3 men in a boat  ジェローム・K・ジェロームの「ボートの三人男」(丸谷才一訳-中公文庫)という小説がある。1889年に発表された痛快小説で、テムズ川をボートで上って行く3人の男達と犬1匹の冗談ともつかない破天荒な物語である。この3人の主人公のように、ボートでとはいかないが、ロンドンを拠点にして、日帰りでテムズを散策してみようと思う。


 今日も曇が太陽を時々よぎる程度で天気は上々。テムズ川を散策するには最適な一日である。ハンプトン・コートへ行くには方法が4つある。


ジーロームK・ジェロームを現代風にいうと、
① 歩いて行く。
② ヘリコプターで行く。
③ 自動車で行く。
④ ボートで行く。
⑤ 汽車で行く。
「歩いて行く」のは時間がかかるし、疲れるので除外。
「ヘリコプター」は料金が高いからこれも除外。
「自動車で行く」はレンタカーを使わないと駄目だし、英国の狭い道を運転する自信がなので除外。
「ボートで行く」はウエストミンスター桟橋からフェリーに乗船。前回の訪英まではこれで行きたいと思っていたが、所要時間が4時間以上(帰りは下流だから半分くらいの時間か?)かかると聞いてこれも諦らめた。


遠い夏に想いを-waterloo  結局、汽車で行くことにする。地下鉄でウオタールー駅に行き、ここから国鉄でハンプトン・コート行きの汽車に乗る。ヨーロッパの駅は、豪華で広々とした空間で、構内にいると一種の静寂のなかに、騒音とその反響が音楽のように広がってくる感じがとてもよい。まるでオペラ劇場の中にいるようだ。


 「ボートの三人男」ではキングストンの町から手漕きの船に乗ってテムズ川をのぼるのだが、今日は、更に上流のハプトンコートがらスタートしてテムズをくだり、キングストンまで戻ることにする


 ミネソタの遠い日々 - New (「留学を終えて」を掲載) -

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