ナショナル・ギャラリーを出て左に歩き、セントマーチン・イン・ザ・フィールズ教会の角まで来たら、小さな張り紙が出ている。今晩音楽会があるらしい。地下の切符売場に行ってみると、モーツアルトとバッハを中心としたプログラムの演奏会と判った。
今晩と来週の木曜日にもあって、木曜日はバロック中心の曲目だ。演奏メンバーが違うのと、入場料が余り高くないので、2日分の切符を購入した。時間があるので、ホテルへ戻ってシャワーを浴び、着替えをして出直すことにした。
7時半開演だが、6時45分頃教会についてしまった。少し早すぎたが、結構人が集まっていた。
セントマーチン・イン・ザ・フィールズ教会は1726年に完成され、様式的は色々なスタイルが混ざった不思議な教会だ。パリのマドレーヌ教会のようにバシリカ式の建物だが、不思議な尖塔が聳えている。
セントマーチン・イン・ザ・フィールズ教会というと、アカデミー・オブ・セントマーチン・イン・ザ・フィールズという長い名前のオーケストラがある。あの「アマデウス」で音楽監督をしたネヴィル・マリナーが1959年に創立したオーケストラである。バロックなどの小編成の管弦楽曲が中心であった。
マリナーはフィルハーモニアとの競演も多い。フィルハーモニア管弦楽団は遥かに大きな楽団で欧州各国の名指揮者、トマス・ビーチャム、フルトヴェングラー、クレンペラー、カラヤン、更にトスカニーニやカンテッリなどが名を連ねている。マリナーは日本にもやって来てN響と競演することもしばしはである。
どうゆう訳か(昔、私はミネソタ大学に留学していたので、大いに関心がある)、マリナーは、一時、ミネソタオーケストラの常任指揮者になったが、不評で人気が今一つだった。どうもオーケストラの質を上げようという意欲に欠けていたらしい。
ミネソタの遠い日々
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