クレア、町歩き - 014 | 遠い夏に想いを

遠い夏に想いを

アメリカ留学、直後の72年の夏に3ヶ月間親子でパリに滞在。その後、思い出を求めて度々訪欧。

 我々も散歩に出る事にする(前ページの地図参照)。鍵は持っていないので、当然、玄関に鍵をかけていない。泥棒が心配だが、こんな田舎町なら大丈夫だろう。地図はないが、町は小さいから広場に立っただけで、おおよそ町の様子が判る。


遠い夏に想いを-clare corner  

 チャールズの家を出て、広場をつき切り小路を抜ける。左右は田舎の民家だが赤いペチュニアの花と緑のバスケットが飾られ、ハッとするほど美しい。


遠い夏に想いを-agnus antiques

 そのまま町の大通りへ抜ける。左角にはちょっと立派な骨董店がある。そこを左に真っ直ぐ坂を下りて行く。


遠い夏に想いを-clare antiques  右側に大きな古道具屋「クレア・アンティーク・ウエアハウス」がある。ここは骨董店というより古道具屋で中を覗いてみると、家具だけでなく、古着や装飾品などあらゆるセコハンの品物が並んでいる。


 店の前の道を進むとストゥア川に沿って史跡公園になっている。広場の一角に30メートルほどの小山がある、小山とゆうよりは古い時代の城跡らしい。城跡はなく、小山の頂上に城壁の一部が残っている(前ページの写真参照)。朝で坂を登る元気もないし、時間もないので登らなかったが、多分頂上からはクレアの町と周辺の平原が眺望できたであろう。


 朝の散歩なので、町の様子がつかめればよい。近くのクレア・プライオリに足を伸ばす。ストゥア川は幅が5メートルもない小川だが、ここを渡ると低地に緑が広がり、砂利道が通っている。


遠い夏に想いを-priory sign

 さして広くない敷地だが、その奥に僧院があり、綺麗に手入れされた庭が広がっている。残念ながらここの芝生も黄色の枯れ草に変わっていた。


遠い夏に想いを-clare prioty01  この僧院はド・クレア一族の援助で1248年に創設された。1538年にへンリー8世の命で僧院は解散させられてしまう。当時、既に英国国教会が成立し、カトリックの修道院は廃止され、土地は国王に召し上げられてしまう。それ以来この小修道院(プライオリー)も例外なく廃虚と化す。

遠い夏に想いを-clare priory02  400年後の1953年に修復され、現在は教会と回廊を残すのみだ。曲線を描く屋根の線は何かオリエント風な印象を与える。それに引き換え、がっちりとした石造りの壁は何か不釣り合いな、しかし、何かお伽噺話的な不思議な印象を与える。


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