水車小屋 - 010 | 遠い夏に想いを

遠い夏に想いを

アメリカ留学、直後の72年の夏に3ヶ月間親子でパリに滞在。その後、思い出を求めて度々訪欧。

遠い夏に想いを-pool  ここを通り抜けて小道を進むと、突然視界が開けて左手に池が現れる。湿地帯の名残だろうか、この先に粉引き小屋があるというので、チャールズの後について行く。。










遠い夏に想いを-brook  池に沿ってしばらく歩くと、その先に白い小屋が建っているのが見える。池の水面に映るその真っ白い小さな小屋は大変印象的で何か絵になりそうな気がする。この小屋は「ロードの水車屋」といって、僧院が建てられた11世紀からここにあったらしい。現在の水車小屋は18世紀に元の形に復元されたらしい。今でも動いていて、挽いた粉はここのレストランで使ったり、来場者にも販売している。日本のように外輪型の水車ではなく、池の水面の落差を利用して水車を回している。


遠い夏に想いを-lode mill  小屋の中はがらんとして、2階に登る急な梯子のような階段がある。小屋の主人が2階に行ってみなさいと我々をせきたてる。若い女性はスカートを気にしながら登っている。こうゆう時は上りは男性が先に、下りは女性が先にというのが礼儀だ。1階には臼が廻っているが、2階にはホッパーと言うか小麦を溜めておく大きな容器がある。こうゆう古い水車や風車で挽いた粉で作ったパンはとても美味しいらしい。ゆっくり臼が廻るので粉に熱がこもらないからだ。


遠い夏に想いを-pillars  水車小屋を出て、元の道を引き返し、やや暫らく歩くと「Temple Lawn」という芝生だけの庭に出る。ここの庭に18~19世紀の彫刻が数多く配置されている。1953年にエリザベスⅡ世の戴冠を記念して、10本のコリント様式の柱で輪が作られている。18世紀の中頃につくられたこれ等の柱はロンドンから移されて、屋根のないテンプル(寺院)を意図しておかれたらしい。これにはテンプル・ローンと名前がついている。


 帰りは、明るいティールームで昼食をとった。ロードの水車屋で挽いた小麦で焼いたパンを味わいながら英気を養い、一路イーリーに向かった。