アングルシー・アビー庭園 - 008 | 遠い夏に想いを

遠い夏に想いを

アメリカ留学、直後の72年の夏に3ヶ月間親子でパリに滞在。その後、思い出を求めて度々訪欧。

遠い夏に想いを-anglesey abbey  ニューマーケットの西方10キロ程の所に、アングルシー・アビー・ガーデンという庭園がある。サフォークの隣のケンブリッジシャーの東端にある。ナショナル・トラストが管理・運営している。アングルシー全体の面積はイギリスのこの類のものに比べて大きいとはいえないが、それでも、我々日本人の感覚からすればかなり大きい。多分、日比谷公園(16万㎡)の2倍以上(40万㎡)はある。しかも、全体がきちんと整備され、現代庭園作りの見本みたいな庭である。


 ここはアビーと名がつくように、もとは湿地帯にのぞんで建てられた修道院だった。1135年に創設され、1535年の修道院廃止令まで丁度400年栄えた。ご多分に漏れず、ここもそれ以後ほとんど廃虚と化した。


 ここの歴史は少々変わっている。1926年フェアヘヴン卿という人がこの地を買い求め、自分のイメージどおりの庭園に作り上げた。現在、3代目当主が庭園の一部に住んでいるらしいが、庭園そのものは初代当主が1966年にナショナル・トラストに遺言で寄贈した。


遠い夏に想いを-abbey
 入園料を払って中に入る。エントランス・ハウスを抜けて、やや暫く歩きアビーに入る。現在残っている古い建物はこのアビーだけである。内部は天井が高く、素晴らしい装飾がほどこされ、壁には書籍がびっしりと並んでいる。本というより書籍で作った装飾という感じだ。室内は意外と明るく、壁には素晴らしい大作の絵がかけられている。20世紀になってからの装飾だが、18世紀から19世紀の雰囲気が十分に出ている。特に、絨毯が美しく素晴らしい。


遠い夏に想いを-dahlia  ダリアガーデンに行く。ここは細長い通路状になっていてレンガの壁が両側に続く、その下にいろんな色のダリアが花を咲かせている。色や形がどぎついのか、最近、日本ではダリアを植えなくなったが、私が子供の頃は随分見かけたものだ。わりと大輪の花が派手な原色で、今の日本人にはもてない花なのかも知れない。ヨーロッパでは、パリでもロンドンでもダリアを植えている人を時々見かけた。ここの庭園には大小、色とりどり、よくぞ集めたというほどにダリアが咲きこぼれる。