テアトロ・ファルネーゼ - 088 | 遠い夏に想いを

遠い夏に想いを

アメリカ留学、直後の72年の夏に3ヶ月間親子でパリに滞在。その後、思い出を求めて度々訪欧。

 ホテルの前のピロタ宮に行ってみる。ここには国立美術館があり、コレッジオの部屋とパルマ派の画家達、コレッジオ、パルミジャニーノ、更にカナレットやダヴィンチのデッサンなどがある。


遠い夏に想いを-美術館

遠い夏に想いを-アンテア  パルマのファルネーゼ家から法王パウルス3世が出て、息子にパルマ公国として残した話は前回した。当然、ファルネーゼの屋敷もローマにあった。しかし、ナポリ王国はスペインの植民地だった関係から、統治者の関係によりナポリ王国に大半の美術・工芸品がナポリに移った。(写真上はパルマの国立美術館の見取り図)


 今、ナポリのカポディモンテ美術館展が東京で催されている。美術品・工芸品の殆どがパルマのファルネーゼ家からのものだ。(写真右上は展覧会に出展されたパルミジャニーノの「アンテア」)


遠い夏に想いを-劇場  この宮殿で驚かされるのはテアトロ・フォルネーゼだ。宮殿の2階にこれだけ大きな劇場があるとは想像がつかない。3千人は入ろうという広さだ。しかも、全部木製。ロンドンのシエクスピアのグローブ座が再建された話しは知っているが、あれは天井のない半分オープンな建物だ。ここは天井のある馬蹄形の大空間である。真ん中はカンポといって、コロセアムのようになっている。オペラの上演中に生きた馬が使われたというから広さが想像つこうというもの。ちっとしたヒポドロームくらいある。舞台は勿論、座席も、壁も、床も、全て木で出来ている。飴色というか、蜂蜜色というか、黄色がかった褐色のモノトーンだ。17世紀初めにここの公爵が建てさせた劇場の再現である。第二次大戦でひどく損傷したために、再建を開始したのが1950年で、50年近く経った今でも建築は続けているというから気の長い話しだ。


遠い夏に想いを-広場市  夏の市が出ているピロタ宮の広場を横切って、今度はガリバルディ通りを駅の方へ歩いてみる。暑いので日陰になっている通りを歩く。今回のイタリア旅行で一番暑い。日照りの中を歩いていると、くらくら目眩がしてくる。息抜きに、角の食材店を覗く。イタリア料理は大好きだから、大いに関心があった。ウインドー越しに生ハムやチーズが見える。材料はさまざまあって本当に豊富だ。当然、惣菜や料理済みの食物もいろいろ見える。パルマにはパスタメーカーのバリラがある。ディ・チェーコにも飽きたのでバリラに切り替えるか。とにかく一度ホテルに戻ることにする。暑くてかなわない。

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