アカデミア美術館 - 084 | 遠い夏に想いを

遠い夏に想いを

アメリカ留学、直後の72年の夏に3ヶ月間親子でパリに滞在。その後、思い出を求めて度々訪欧。

 今日は街の北東部へ行き、サンマルコ美術館を見てから、近くを散策する。今日も朝から暑い。この天候なら、今年はいいワインができるだろう。広い通りを歩いていると楽器屋があった。どうゆう訳か楽器屋というものを余り見かけない。ここは結構大きな楽器店だがギターの類やポップ系の楽器が中心で、クラシックのものは安物のヴァイオリンが3~4台置いてあるだけ。チェロはなく、ただケースはいいものがあった。値段は日本よりも遥かに安い。

 
 さて、直ぐ近くのアカデミアに戻る。陽は大分傾いて来たが、相変わらずの行列だ。60メートルくらいの列になっている。よく見ていると少しずつ流れている。ミラノのサンタ・マリア・デッレ・グラツイエ教会のようなことはない。


遠い夏に想いを-ダヴィデ  ここは、ミケランジェロのダヴィデの本物が唯一の見世物だ。当初、シニョリーア広場にダヴィデ像はあったのだが、アカデミアに移された。ダヴィデ像はいかにもミケランジェロの彫刻で、筋肉隆々とした均整の取れた像である。動きは余り感じられないが、安定感のある立像で、遠方をにらみつける視線は物凄い。



遠い夏に想いを-ダヴィデ・コピー  



現在シニョリーア広場にあるお馴染みのダヴィデ像はレプリカである。



遠い夏に想いを-ピエタ


 更に、ピエタがある。パレストリーナという町に長い間あったので、パレストリーナのピエタと呼ばれている。聖母マリアとマグダラのマリアに抱えられたイエス。他のピエタはヴァチカン、フィレンツェのドゥオーモ、ミラノのスフォルツア城にある。彫刻を見ていると、ミケランジェロは画家ではなくて、彫刻家だなーって思いを益々強くする。その他、一連の「奴隷像」がおかれており、見上げると、素晴らしい迫力を感じる。


 あとは、ボッティチェリなどの絵画があるが、量的には展示している数は少ないので観客の回転は早い。


遠い夏に想いを-サンタ・マリア・ノヴェルラ  アカデミアの帰りに、駅の傍のサンタ・マリア・ノヴェッラ教会に立ち寄る。毎回来ているので、スッキプしようと思ったのだが、時間があったので入ってみる。ドメニコ派の教会で、建築は12世紀に始まったらしい。ロマネスク・ゴシック様式の教会正面のデザインは白と緑とピンクの大理石で目にも鮮やかだ。堂内は広々として荘厳である。マザッチオの「三位一体」が見ることができる。遠近法で描かれた大作である。


遠い夏に想いを-マテルり  帰り道、マルテッリ通りの本屋に行く。この本屋は前回来た時にも、本を沢山買った記憶がある。うなぎの寝床のように奥に広い店で、余り綺麗な店とはいかないが、殆どの種類の本が手に入る。今回は、ノッコがフランス語を教えている生徒に頼まれた料理の本を買った。5センチくらい厚い本で、イタリア料理の歴史をふまえた料理本だ。ついでに、我が家用にパスタ料理の作り方の本を買う。イタリア語なので、帰国後に料理イタリア語辞書を買った。写真はそれぞれ素晴らしいのだが、結局、辞書引き引きでは料理するときの役に立たない。

 ミネソタの遠い日々 - New (ミネソタの企業パート1を掲載) -
1970年に私たち夫婦・子供連れでミネソタ大学へ留学した記録のホームページにもどうぞ