ピッティ宮からの眺め - 081 | 遠い夏に想いを

遠い夏に想いを

アメリカ留学、直後の72年の夏に3ヶ月間親子でパリに滞在。その後、思い出を求めて度々訪欧。

遠い夏に想いを-ピッティ01  ポンテ・ヴェッキオを渡って川向うへ行く。暫らく歩くと広場にでる。左側はピッティ宮の薄茶の石壁が続く。前回来た時に入っているが、もう一度入ってみる。





遠い夏に想いを-ピッティ02  最初、ピッティ宮の建設は当時の資産家であったビッティという人が始めたのだが、完成を見ずして亡くなったので、当時権勢を振るっていたメディチ家が引継ぎ完成させた壮大な建物だ。



遠い夏に想いを-回廊  ウフィツィとはポンテ・ヴェッキオのヴァザーリの回廊という緊急避難用の裏通路が通じていたという。(写真:ウッフィツィの2階廊下の窓より撮影)






遠い夏に想いを-リッピ01  ここにはメディチ家が集めた膨大な美術品がある。お気に入りのリィッピの聖母子像もあるし、ラファエロの聖母子像もある。とにかく元々美術館ではなくて私邸だから、宮内は豪華絢爛そのものである。ピッティ宮の中は左右に47室もあり、左側のパラティーナ・ギャラリーだけでも23室ある。丁寧に見ていたら時間が足りない。時間節約のために見たい絵の部屋を事前に調べておいて見てまわる。


遠い夏に想いを-リッピ02  大好きなリッピの聖母子(右上の絵)がある。ウフィツィにあるリッピの聖母子像(右横の絵)の愛情に満ちた表情がなんともいえないが、ここのリッピの絵は聖母の伏目がちな表情に気品と愛情が満ちている。ボッティチェリ(麗しのシモネッタ)とラファエロ(大公の聖母)が素晴らしい。








遠い夏に想いを-ラファエロ01  「小椅子の聖母」はその丸みを帯びた表情と言い、聖母と言えばブルーと赤が基本だが、緑をくわえたその絵は聖母子というより、優しい母と子という印象を受ける。まさにルネッサンスの精神「人間性の回復」に相応しい。またヴェールの女(右下の絵)も柔らかな笑みを浮かべた美しい女性像だ。テツイアーノ(マグダラのマリア)もいい。



遠い夏に想いを-ラファエロ02
















遠い夏に想いを-ムリーヨ  また大好きなムリーリョもある(聖母子)。ムリーリョはまさに聖母の画家である。柔らかいタッチで描かれた聖母は美しい。日本の仏教では宮島の弁財天(弁財天は神道にもはいって七福神の一人になる)とか、奈良の九品寺の吉祥天とか、奈良の秋篠寺の伎芸天など、彫刻が殆どで、余り女性の偶像がないのでキリスト教の聖母像は特に美しく感じる。ボッティチェリの描き方は日本の浮世絵のように線画的で親しみやすい。







遠い夏に想いを-ピッティ庭園01  ギャラリーを抜けて庭へ出た。ここはボボリ庭園という植物園として作られているから大変に美しい。夏の陽の光をいっぱい浴びて、坂を登って行く。


遠い夏に想いを-フィレンツェ市街  空は澄みたったって、ミケランジェロがフィレンツェ防衛のために造ったというフォルテ・ディ・ベルベデ-レとう所からはドゥオーモやフィレイツェの街が見渡せる。まさにパノラマだ。ここでノッコと一息いれて、フィレンツェの眺望を楽しむ。


 パリのリュクサンブール庭園はカトリーヌ・ド・メデシスがピッティ宮を模して造らせたというが、あまり似ているとはいえない。リュクサンブール庭園にはリュクサンブール宮、現在の上院があり、大泉水もピッティ宮のネプチューンの泉を模したのだろう、その先は一段高くなっている。だが、余り似ているとは思えない。


 樹木や植物や花の名前が覚えられないので、旅行している時は残念である。ここも緑がいっぱいで素晴らしい所だ。

 ミネソタの遠い日々 - New (シカゴへの旅パート3を追加) -
1970年に私たち夫婦・子供連れでミネソタ大学へ留学した記録のホームページにもどうぞ