フィレンツェの雑貨屋さん - 080 | 遠い夏に想いを

遠い夏に想いを

アメリカ留学、直後の72年の夏に3ヶ月間親子でパリに滞在。その後、思い出を求めて度々訪欧。

遠い夏に想いを-Duomo04  ドゥオーモの裏側の通りを歩いてみた。聖堂の白や緑やピンクの大理石の模様が壁に沿って延々と続く。午後になったが、相変わらす太陽が眩しい。余り人が歩いていない。


 小奇麗な金物屋があった。こうゆう所に入るのは結構楽しい。ブランドの服装品には若いときから全く関心が無く、海外でも全くその類の店舗に入ったことはないのだが、こうゆう店は楽しい。すばらしいデザインの品々が並んでいる。日本では見かけないものが多い。


遠い夏に想いを-Machina  鋳物でできたエスプレッソ器があった。
「これ、面白い形ね」

ノッコが首をかしげる。

「これ、面白い形をしていますね」
「それは小さくて、2人用です」
「普通、コーヒーが沸くと、ポットの上部に溜まりますよね。これはどうなっているのですか」
「この二本のパイプからコーヒーが出てきてカップに溜まるのです」
本当に小さいので2人分以上は無理だが、ノッコと2人で楽しむのには好都合だ。


遠い夏に想いを-Creamer  「あら、またまた、変なものがあるはよ」

ノッコが手にとる。

 ステンレス製で、黒い大きなつまみの付いた蓋がマグの上に乗っけたような格好のものがある。蓋を開けてみると、蓋に一本の芯が付いていて先端には容器に丁度入る程度の輪っかが付いている。
「これ、いったい何をするものですか」
「ああ、それはクリーマーですよ、カプチーノの」
店の可愛らしい中年女性が手を上下する。
「なるほど。これを上下するだけで、本当に泡が出るのかしら」

ノッコは疑心難儀だ。
「ええ、私も家で使っていますよ。カフェ並みに出来ますよ」


 カプチーノの味にすっかりかぶれていた時だし、とは言っても、自分で入れるには、泡は無理だしと思いかけていた時だけに、「これぞ!」という気持ちで買い求めた。値段は3万5千リラくらいだし、駄目でもともと思った。結果を発表すると、最高に最高! クリーミーに仕上げるには少々コツがいるが、日本ではカプチーノの美味しい店は少ないので(東京の地下鉄日比谷線の銀座駅の地下に「カフェ カプシーオ トーア 銀座店」という気楽に立ち寄れる店がある。ここのはアメリカ系・日本系のフランチャイズ喫茶店と違って、カプチーノはイタリアで飲むのと殆ど同じ味です)、我が家でも大変重宝している。


遠い夏に想いを-Scrambler  今では気の利いた輸入雑貨の店ならどこでもこの製品を置いている。これ以外にも日本製で泡立て器がでている。電動式だから手軽にできる。小さな鍋にミルクを少々入れて、60度くらいまで温め、この泡立て器を突っ込んで、泡を立てる。泡が立っていない部分を先にコーヒーに入れ、最後に泡をスプーンですくってコーヒーにのせる。出来上がり!


遠い夏に想いを-Capucino  帰国してから暫らく重宝して使っていたが、エスプレッソ専用の沸かし器を使わないと美味しくないので、段々不精になって使わなくなってしまった。




 ミネソタの遠い日々 - New (シカゴへの旅パート3を追加) -
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