スキファノイア宮 - 056 | 遠い夏に想いを

遠い夏に想いを

アメリカ留学、直後の72年の夏に3ヶ月間親子でパリに滞在。その後、思い出を求めて度々訪欧。

遠い夏に想いを-hotel ferrara  今日はフェラーラを見て夕方にはラヴェンナに移動する。チェックアウトして駅に行き荷物を預ける。ホテル(写真右)は駅の真向かいで近いから、こうゆう事が楽に出来て有り難い。その代り街へ出るのは大変だ。イタリアの国鉄は各都市に鉄道を通す時に、市街地、特に、旧市街地に、線路を敷けないので、駅もかなり離れたところに置かざるを得ない。フェラーラも駅が中心街から遠く、市街地まで行くのにバスを利用するしか方法がない。


 先ず、バスの切符を買うのが大変ときている。1台のバスが駅前の停留所にいた。運転手に聴いた。
「切符はあるかい?」
「切符はないよ、駅で買いな」
 駅の中に3種類の機械があるが、どの機械で何をどう買うのかも判らない。


遠い夏に想いを-スキファノイア  外に立っている人に聞いた。
「駅の中で買うんだ」。
「どの機械?」
機械で買うものと決め付けているから、やり取りが、チンプンカンプンで埒があかない。男は私を連れて駅に入り、右隅の観光案内所を指差した。
「あそこの窓口で買いなさい」


 駅前からバスに乗り、カブール大通を通って街の西の城壁門にある金メダル広場で下車。先ず、スキファノイア宮へ行く。ここは15世紀にエステ家が別荘として使用していた所で、今は市立美術館になっており、階段の下に切符売場がある。


 先ず、2階に上がる。大きな「月の広間」があり、4面の壁のうちフレスコ画が2面だけに残っている。傷みが激しく、12ヶ月を月ごとにあらわしてあるが、やっと認識できる程度だ。イザベラ・デ・エステが結婚する前に住んでいた頃は豪華であったろう。監視員のおじさんが暇そうにポツンとあくびをしている。ここはガランとして壁画以外何も無い。美術館の方を回ると、なかなかいい作品がある。フェラーラ派の絵が中心だが、パドヴァの市立美術館の展示絵画よりもはるかにいい。少なくとも私はこちらの方が好きだ。ひと回りして外に出る。外の太陽が眩しい。

 ミネソタの遠い日々 - New (シカゴへの旅を追加) -
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