サン・アントニオ教会 - 052 | 遠い夏に想いを

遠い夏に想いを

アメリカ留学、直後の72年の夏に3ヶ月間親子でパリに滞在。その後、思い出を求めて度々訪欧。

遠い夏に想いを-サン・アントニオ02 さんと別れて、広場に立つと、眼前にサン・アントニオ教会が聳え立つ。ロマネスク様式、ゴシック様式、ビザンチン様式が入り組んだ建物で、13世紀に建築が始まっている。堂々とした聖堂である。左手にドナテッロのガッタメラータ騎馬像が立っている。ドナテッロはダヴィンチの先輩で写実を得意とした彫刻家だから、今にも動き出しそうな気配さえする騎馬像である。


 サン・アントニオ教会の中に入った。聖アントニオはポルトガル出身の聖人である。ここはさすがに聖地だけあって、教会の内部装飾や聖遺物の展示が他とは違う。ドナテルロが主祭壇を造ったというが、厳かで素晴らしい祭壇である。サン・アントニオの遺体が収まっているという棺には小さな紙片が沢山はってある。子供の写真を棺に押し付けて願いを込めて祈っている母親。さまざまな人たちが次から次へとお祈りにやってくる。心をこめて祈るというのはどんな宗教でも感動的である。祈りの熱気に押されて、サン・アントニオの回廊を抜けて外に出た。


遠い夏に想いを-prato della valle  帰りは、戻るだけなのに、何を勘違いしたのか(ノッコは最初から違うよと言っていた)さらに南下し、Prato della Valleという大きな庭園に出てしまった。イタリア式庭園の周囲には石像群が立ち並ぶ。物凄い大きな楕円形のシンメトリックな庭だ。こうゆう庭は私の感性が受け付けない。意外なところに出てしまった。なにせ、この街はガリレオ・ガリレイの街だ。振り子のように戻ればいいのさ、とか何とか痩我慢ともつかない冗談を言いながら、駅のほうへ引き返した。

 ミネソタの遠い日々 - New (シカゴへの旅を追加) -
1970年に私たち夫婦・子供連れでミネソタ大学へ留学した記録のホームページにもどうぞ