インテルプレーティ・ヴェネツィアーニなんて初めて聞く(2000年5月に初来日した)。どだいネーミングからして妙な名前だ。ところが、演奏が始まると実にダイナミックだ。
インテルプレーティとは英語で「インタープリター」、即ち、「通訳」の意味だ。通訳はある言葉の意味を解釈して伝える仕事である。音楽では作曲家または楽譜を解釈して、演奏によって伝える人たちになる。余り音楽では使われないが「演奏家」という意味だ。演劇でも同じ意味で使われ、俳優や女優と同義語になる。
だから、まさに名前の通り『ヴェネツィア音楽の演奏家』なのだ。1987に結成されたこの楽団の演奏はイギリスやオランダやドイツのゲルマン系統の古楽演奏とは全く異質だ。抑制されたところが微塵もなく、各人は自由奔放でいかにも個性的だ。まさに、新しい解釈で演奏するヴィルトゥオーゾの集団と言った感がある。特に、チェロの男は体を左右に激しくゆすってすばらしい演奏をする。教会の残響を旨く使っている。彼の名はダヴィデ・アマディオ、ヴィオラにソニア・アマディオという女性がいる。彼の奥さんか妹か定かでない。コントラバスもジャンニ・アマディオというから兄弟なのかもしれない。彼のチェロは小奇麗な音ではないが、荒々しく激しい響きを持っている。ノッコはすっかり気に入ってしまった。
ここの教会はロンドンのセント・マーチン・イン・ザ・フィールズ教会よりも響きがいい。ゴシック式の教会は天井が高く、残響時間が長く、オルガンのようにかなり高い位置に楽器(パイプ)が配置されているのであれば、全体に音響がよくなるが、器楽演奏のように床面で演奏すると、残響が影響してどうしてもよくない。
ミネソタの遠い日々
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