ロメオとジュリエット - 021 | 遠い夏に想いを

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アメリカ留学、直後の72年の夏に3ヶ月間親子でパリに滞在。その後、思い出を求めて度々訪欧。

遠い夏に想いを-romeo&julietta  ジュリエッタの館と称する場所はこの近くにある。13世紀頃からたっている古いレンガ造りの建物である。


 かって「ロメオとジュリエット」をパゾリーニが映画化した。「ロメオとジュリエット」の映画作品としは名作だが、教会部分はアッシジで撮ったらしい。我々が帰国してから、大きな地震があってアッシジの教会も壊れたらしい。


 パゾリーニのジュリエットの館での「おー、ロミオ、ロミオ」のバルコニーに比べて、ここのバルコニーは余りにも質素だ。しかし、いかにもそれらしくていい。オリヴィア・ハッセイの可憐な姿は今でも忘れられない(彼女と結婚した日本人歌手の某氏、何故離婚してしまったのだろうか)。


 今年(1997年)はまたシエクスピアの映画の当たり年で、ロメオが2作も出た。シエクスピアは国際派の作家だったに違いない。題材の扱いにも国は多彩だし、史実にそれらしさがある。ロメオとジュリエットの史実的は正しくない、ヴェローナは関係ないと言われても、これだけヴェローナがロメオとジュリエットが観光資源として利用され、観光客も楽しんでいるとすれば、細かい事はどうでもよくなる。歩いてロメオの家へ行く。今はレストランに化けてしまって、架かっている説明文以外それらしいものはない。これなどもデズニーランド以上の演出で、ここまでくると、この街も「ロメオとジュリエット」のテーマパークとし化した観があり、さすがに商売がうまい。


遠い夏に想いを-scalatombs  スカリジェレ家廟へ。ヴェローナは中世の時代にスカラ家によって支配されていた。そのスカラ家の墓なのだが、昼で閉まっている。当時の支配者の廟なのだが、余りに東洋的と言おうか、異質と言おうか、ユニークな廟ではある。



 サンタアナスターシア教会は13世紀末に建てられたドミニコ派の教会で、ヴェローナで一番大きいらしい。建物もユニークだが、重厚な堂内はゴシック様式で、幻想的な絵画が不思議な雰囲気をかもし出している。


遠い夏に想いを-churches  更に、ドゥオーモへと足を進めた。12世紀の末に建てられた聖堂で、正面は大変に優しく、優美なロマネスクとゴシックが融合している。堂内は荘厳で素晴らしい。ティツィアーノのヴェローナで描きあげた唯一の作品「聖母マリア被昇天」の絵画もある。


 アディジェ川沿いに歩き、ガリバルディ橋から更に川沿いにヴィットリア橋まで来て、ここからアレーナの方へ進んだ。5時間ばかりの滞在ではヴェローナの街は見切れない。おまけに、昼は店屋や名所も閉まっている。


遠い夏に想いを-ristrante  昼食が遅くなったので、ブラ広場のトラッタリア街にいった。一軒の店が開いていた。昼食の時間はとっくに過ぎて、席に就いている客は殆どいない。テラスでパスタを食べるがひどく不味い。日除けのテントに太陽が照りつけ、蒸し風呂の中に居るようだ。クレモナのトラットリアの昼食は何だったのだろうか。幻だったのだろうか。同じイタリア料理なのに、余りにも落差が大きい。さて、今日は時間が余りないので、急いで駅まで歩く。そして、汽車でヴェネツィアへ向かった。

 ミネソタの遠い日々 - New -
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