街のヴァイオリン工房は数が多いが、みな閉まっている。クレモナはアマティー、ストラディヴァリ、グアリネリなどいわゆるクレモナの名工達が17世紀から18世紀にかけて活躍した町として知られている。
アマティーがクレモナに弦楽器の工房を開いた。名声は広まり、名器といわれた。形は今の楽器よりも小振りだったようだが、音質は甘く女性がささやくようだった。この工房で働いていたストラディヴァリが独立して工房を開き、素晴らしい楽器を作り出す。甘美でビロードのような音質で、かなりの音量があった。ヴァイオリンの形は現在でもストラディヴァリが基本である。グアリネリはヴァイオリンしか作らなかったが(ヴィオラやチェロは現存していない)、音は素晴らしく、強い音が出た。パガニーニは最初ストラディヴァリを使っていたが、ある時借りたグアルネリを一生手放さなかったという。
その後、クレモナの弦楽器製作の名声は歴史から徐々に消えて行く。原因の一つはポー川のほとりに茂っていたヴァイオリンに最適な木材をすべて使い果たしたからだという。しかし、このところクレモナはヴァイオリン作りの聖地としての地位を盛り上げつつあり、名前の通った弦楽器製作者も出てきている。
コムーネ広場に近いパーチェ広場に見つけたガロ工房の前で写真だけでも撮ろということになった。パーチェ広場は周囲に洒落た、小奇麗な店が並んでおり、ドゥオーモの鐘楼が屋根越しに望めて素敵な場所である。
コムーネ広場に戻ると、角のアイスクリーム店が開いていた。アイスクリームをなめなめ駅へ戻る。
帰り道に公園になっているローマ広場を通る。今度はどうゆう訳か市民でいっぱい、特に老人達が沢山出てきて憩いの場と化している。
この広場にはストラディヴァリの墓があり、白い彫像が立っている(写真奥に小さく見える像)。いかにもヴァイオリンの町という趣きだ。日曜日に来てしまったので、殆んどの店は閉まっており、何か欲求不満だけが残ってしまった。