ドゥオーモの塔 - 004 | 遠い夏に想いを

遠い夏に想いを

アメリカ留学、直後の72年の夏に3ヶ月間親子でパリに滞在。その後、思い出を求めて度々訪欧。

遠い夏に想いを-ガレリア01  1867年のイタリア統一を記念して建てられたガレリア。第二次大戦で破壊されたあと、完璧に復元されたガレリア。優美・華麗という言葉がぴったり、というガレリアの入口右手にモッタがある。そこのカフェで朝食をとった。カプチーノとクロワッサン。最もシンプルで、最も美味く、一番イタリアらしい。
「奥様、カプチーノをどうぞ」
ニコリと微笑む。奥様の笑顔がいい。


遠い夏に想いを-Duome01  これがイタアリでの朝食の定番になる予感がする。レジのおばさんが喋っているイタリア語とレジスターの表示とが違うために意味が判らない。その後、3度ほど行ったが、いまだに謎だ。消費税が20%あるからなのだろうか。イタリアの朝のカフェは立ち飲みで、時間がかからないから旅行者にはありがたい。


 ドゥオーモは3度目になる。入って直ぐは、暗くて何も見えないが、時間が経つと少しずつ見えてくる。左の側廊に沿って行くとエレベーターがあり、塔にのぼって行ける。当時のドゥオーモは現在のように煤とりをしていないから、黒々と荘厳であった。


遠い夏に想いを-Milano市01  72年のあの時は、チャオがドゥオーモの屋根に登ると言い出し、仕方なく(私は高所恐怖症で困ったが)3人で登り始めた。なにせチャオは高い所が大好きときている。確かに屋根の上からのミラノ市街の眺望は素晴らしかった。しかし、三角屋根のところまでが私の限界で、更に尖塔をのぼるのは諦め、ノッコにチャオを預けて頂上まで行かせた。屋根の上で真っ青になっている私に、ニコニコしながらチャオが塔の上から手を振っている。そんな思い出が昨日のように蘇ってくる。


 14世紀末に工事が始まり19世紀に正面が完成、なんと500年もかかって完成したというから大変な聖堂である。そのゴシックの美しさは言葉を失うが、屋根の上の過剰と思える装飾は豪華絢爛と言わざるとえない。


 教会の外へ出ると、太陽の日差しが眩しい。ドゥオーモの左手の道を真っ直ぐ歩く。観光用のミラノの地図はパズルのようで、方向感覚をすこぶる鈍らせる。スフォルツア城の方角に歩いているつもりが、ほぼ正反対の地下鉄の駅が見えてきたりする。仕方なく、地下鉄に乗りカドルアで降りた。

 ミネソタの遠い日々 - New -
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