INODEP - 043 | 遠い夏に想いを

遠い夏に想いを

アメリカ留学、直後の72年の夏に3ヶ月間親子でパリに滞在。その後、思い出を求めて度々訪欧。

 駅を出て、グラシエール通りを南に進む。ここからアレシア通りとの交差点まで平坦だが、そこから先はモンスーリ公園まで緩やかな上り坂になる。近いようで遠かった。その時の気分や体調で道程が遠かったり近かったり感じたものだ。


 駅の近くのグラシエール通りに汚いガラージがあったが、今は随分と綺麗に模様変えされていた。とにかく、その頃住んでいたINODEP(マリア会の宿泊所)へ一気に行くことにする。アレシア通りを渡ってすぐ右手に細い袋小路がある。
「裏から入れたでしょ」
遠い夏に想いを-チャペルINODEP 「裏門は開いているかな」


 裏手から入ると、裏庭の先に見慣れた小さなチャペルがあった。ロンドンのウエストミンスター・アッビーの側の聖マーガレット教会と同じ位の大きさだろうか。でも、造りはやはりフランス的なゴシック風のチャペルである。チャペル・ジャンヌダルク。どうしてジャンヌ・ダルクに捧げられたのか未だに分らない。側廊の扉が開いていた。中を覗き、チャペルの中へ入った。お祈りが捧げられている最中だった。静かに側廊を進んで正面の入口から外へ出た。


遠い夏に想いを-INODEP裏側
 昔は中庭の左側には小さな花壇があった。当時はダリアが原色の大輪の花を咲かせていたが、今は、花壇そのものが無くなって、駐車スペースに変えられていた。 チャペルの前は小さな広場になっている。広場というより、この区域の中庭的なスペースといった方が当たっているかもしれない。


 正面には11階建の建物が建っている。レイユ通りに面した表側は街並に合わせたデザインになっているが、裏側はかなり現代風の作りである。

 ミネソタの遠い日々 - New -
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