久し振りに朝までゆっくり眠れた。今日はレンヌ行きの切符の手配をし、更に想い出のパリ巡りをしなければならない。急いで身仕度をしてホテルを出た。地下鉄のフランクリン・ルーズベルトの駅に行った。1号線のこの界隈の駅名には各国の過去の指導者の名前が付けられた駅名が多い。
エトワール広場はドゴール、次はルーズベルと、更にイギリスのジョージ5世、クレマンソーなども名をつらねる。国際都市のつもりだろうが、芸術家の街らしく画家や音楽家の名前を付けたほうが洒落ていると思うけど。ドガとかモネとか、ラヴェルだとかビゼーなどはどうだろう。
どうせ、リュクサンブール公園からスタートするのだから、昨日と同じルートをモンパルナスまで行く。モンパルナスの駅は随分モダンなデザインに変わっていた。新幹線TGVの発着駅として駅自体が大巾に造り変えられた。駅の3階がTGVの発着ホームになっている。階段とエスカレータを乗り継いで真直ぐ切符売場へ行く。まだ工事中というか、コルビュジエの申し子というか、セメントむきだしのガラーンとした駅構内は地下駐車場のようで味もそっけもない。駅はサンラザール駅や東駅やオーステルリッツ駅など古くて趣のある方がいい。
駅中央の広場に切符の自動販売機が幾つか置いてある。CRTの付いたコンピュータ操作で、仏語と英語で表示されているが、これを使っている人は殆どいない。背中に大きなナップサックを背負ったアメリカの学生風の若者がトライしているが、何度やってもうまくゆかないらしく、いまにも機械を蹴飛ばしそうなくらいイライラした気配である。私達もノッコが仏語で、私が英語でトライ・トライの精神で試してみたが、モタモタしていると、時間切れで最初の画面に戻ってしまう。パソコンゲームと同じで、ゲームオーバーで先へ進めない。
コンピュータゲームを楽しんでいる暇は無いので、人間様のいる奥の切符売場へ急いだ。ヴァカンス期間中なので、切符売場も相当混雑しているかと思いきや、ガラガラである。パリの住人は大半が既にパリを脱出していまっているから、今頃動くのは出遅れたノロマか臍曲りか、外国人くらいだ。フランス人はヴァカンスに取り付かれている。まるでヴァカンス中毒症におかされているみたいだ。最近は休暇の日数か縮小してきたとはいえ、やはり、やはりフランス人はヴァカンスのために働く。ヴァカンスには、パリの人達は南フランスに出かけるので、ブルターニュに行く者は殆どいない。パリはヨーロッパの中でも北欧やドイツに比べ、南にあると思うのだが、それでも太陽を求めて南下するのだから不思議だ。