ターミナル4の英国航空のカウンターでパリ行の搭乗手続きを済ませ、時間潰しに免税店を見て回った。冷やかし半分とはいえ、自然とプライス・タグに目がゆく。タバコはとうの昔に止めた。酒はもともと弱い。アメリカから友人達が来る度にウイスキーやらコニャックを置いて行くので、家には酒ビンが溢れている。免税でも、酒やタバコは買う気にならない。奥様もアトピー気味でブランド化粧品は殆ど肌に合わないし、家には貰いものの有名香水がゴロゴロしている。結局、靴かハンドバッグか装飾品になるが、これも碌な品物がないだけでなく、値段が驚くほど高い。日本では物品税が廃止になって小売価格で20%以上は安くなった。もともとブランド品には関心が無い夫婦なのでこれ以上見て歩いてもしょうがない。
ビジネス・クラスなので英国航空の専用ラウンジが使える。ターミナル4は左右に細長く、ゲート側に向かって右奥のエレベーターを使って専用ラウンジへ入る。ここは天井の低いコの字型の明るいラウンジで、時間待ちの客で結構混んでいた。席を確保して、新聞と飲物をとりに行く。ここでも新聞と飲物は自由である。ラウンジでの待ち時間は飛行機の中で過ごす時間と同じで不思議と歩みが遅い。
72年に日本航空でニューヨークからパリへ飛んだとき、トランジットでロンドンのヒースロー空港で時間待ちをしたことがある。まだ、古い空港ビルの頃で、少々ごちゃごちゃしていたが、イギリス的な親しみのわくターミナルだった。今の成田をレトロ調にした感じだっただろうか。あの時はヒースローの待合室で時間を潰していた。突然、英語で呼び出しがあって、英国航空のカウンターに来てくれと言う。あの頃は飛行機に乗ると何か小さなトラブルがあるので、またかと少々驚いた。カウンターに行ったら、何のことはない「本人がいるかどうか確認しかったので」というだけだった