ティー・タイム - 065 | 遠い夏に想いを

遠い夏に想いを

アメリカ留学、直後の72年の夏に3ヶ月間親子でパリに滞在。その後、思い出を求めて度々訪欧。

 ビーヴァー城が建てられた頃の、1839年12月から翌年の4月までの5カ月間に、従者達を含めて約1万6千人の訪問客に食事を供した、と記録に残っている。また、19世紀の終りまで城専用の醸造所を村に持っており、出来たビールを樽に詰めてこの貯蔵庫に保管していたという。


 貯蔵庫のうちの一つが現在見学者用の食堂に使われている。見学疲れの我々3人はひと憩みすることにした。紅茶に自家製のチーズ・ケーキをとった。チャールズも今回はビールをやめて紅茶にした。ロンドンの一流ホテルとは違って、何の飾り気もない黄色い部屋で、いかにも質素な4時のティー・タイムとなった。


 チーズ・ケーキは素朴な作りで美味しい。紅茶は少し冷めている上に、入れ方も少々手抜き気味である。まあ、この辺りで余り贅沢を言ってもしようがない。ぬるくて、風味に欠ける紅茶を飲みながら、気持ちは帰りの遠い道のり移っていた。


遠い夏に想いを-Tea  ご主人は紅茶党なので、家では殆ど紅茶、外ではコーヒーになってしまう。ノッコも最近は肌のためにコーヒー狂(コーヒーを飲みすぎると肌が黄色くなる?)から紅茶党に変わった。コーヒーは自分で入れても、店で飲んでも余り味に優劣はないが、日本の喫茶店で出す紅茶は絶望的な場合が多い。ぬるい、薄い、香りがないが典型的な喫茶店・レストラン紅茶である。しかし、自分で入れる時は、七面倒臭いことを言わなくとも、日本の水なら簡単に美味しい紅茶が入れられる。
 
 ところで、今回イギリスへ来て飲んだ紅茶だが、味がどうもしっくりこない。一流どころで飲んでいないので、全てにあてはまる訳ではないが、どうも、入れた紅茶にアクが強すぎる。水と紅茶のマッチングが良くないか、入れ方が悪いかのどちらかだ。イギリスでは、ローバック・ホテルで自分でお湯を沸かしていれた紅茶と、チャールズの家で彼が入れてくれた紅茶と、ここの城の紅茶しか飲んでいなが、どうも、気に入らない。

 ミネソタの遠い日々
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