イギリスの森 - 057 | 遠い夏に想いを

遠い夏に想いを

アメリカ留学、直後の72年の夏に3ヶ月間親子でパリに滞在。その後、思い出を求めて度々訪欧。

 ところで、日本の森林面積は68%と世界的にも大変なもので、国土面積比率ではフィンランドに次いで世界第2位なのである。驚くべき事実である。全国では55%が針葉樹だから、どうしても「林」が多くなる。「林」を嫌って「森」を探し求め、全国を放浪する日本の画家がいるとテレビで見たことがある。日本で「森」を探すのは殆ど不可能だろう。


 話が少々脱線してしまった。イギリスの森も16世紀頃までは豊かな森林地帯が広がっていたという。森はもともと王様や領主の狩猟場として保護されてきた。イギリスでは領主が都市在住型でなく、田舎の荘園にマナー・ハウスを建てて暮らすのを旨としていたために、森林を次々に伐採し牧草地や農地に変えてしまった。


遠い夏に想いを-Lords Bushes  エッピングの原生林はかってエセックスの全地域を覆っていたという。この森は中世の時代から王室専用の狩猟場として保存されてきた。1226年からは復活祭の日だけロンドン市民に解放された。17世紀になって、貴族達が狩猟に関心を示さなくなり、この森は周囲の荘園に吸収されて、縮小の運命にさらされた(写真はエッピングの森の一部であるLords Bushesで)。


 1882年になって、やっと、この森は市民の憩いの場として永久保存管理されることになる。ブナの森はイギリスでも特に豊かで、樺、樫、ライム、柊が生い茂り、鹿やリスが森の中を自由に駆けずり回っている。しかも面積が6千エーカーもある広大な森である。秋には牛などの家畜が近くの農家から連れてこられて自由に放牧されるので、車道に飛出してくるこもあり、危険らしい。

 ミネソタの遠い日々
1970年の夫婦子供連れでのミネソタ大学、留学記録にもどうぞ