フィッシュ・アンド・チップス - 020 | 遠い夏に想いを

遠い夏に想いを

アメリカ留学、直後の72年の夏に3ヶ月間親子でパリに滞在。その後、思い出を求めて度々訪欧。

 フィッシュ・アンド・チップスに使う魚はタラだけかと思っていたら、ここでは5種類の魚が並んでいる。私達にはどれが美味しいのか判断がつかないので、チャールズに選んでもらった。その代わりチャールスの反対を押切って無理やり我々が代金を払い急いで店を出た。6時を過ぎていた。どこの商店も店仕舞いを始めている。ロンドンの郊外なのに、東京のことを考えたら、信じられないくらい一日の終わりが早い。
 クイーンズ・ロードを下って家に到着するやいなや、あわただしく食卓に皿を並べ、夕食の用意をする。外側の新聞紙の中からタラ、バス、エイの3種類のフライとフライド・ポテトが白い包み紙に包まれて出てきた。タラやバスはわかるが、エイとなるとハタと首を傾げたくなる。食べてみると、まさに小型のエイで、北海道でカスベと呼んで煮魚にして食べるものと全く同じであった。なかなかイケる。久しぶりにカスベを食べた。お袋がよく作ってくれた。子供のころが懐かしい。これらの淡白な白身がフライによくあう。

ヴィオさんの旅行ブログ-ビーグル  夕食後、お母さんは疲れたからと寝室にさがった。チャールズはまだビーグルを飼っている。今のは何代目だろうか。彼はウサギ猟に行くのだ。だからビーグルはペット以上の愛犬である。名前はケンタ。歴代のビーグルにはみなケンタと名をつけた。多分、H君の息子の名前を付けたのだと思う。今のケンタはかなり年寄りだが、1972年にきた時のケンタ(写真は72年のビーグル)はまだ若くていたずらばかりしていた。まりの人の靴をくわえてソファーの裏にもぐりこむとか、新聞紙をぐちゃぐちゃに噛んだり、子供のビーグルはいたずらが好きで飼うのに大変らしい。


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