プリウスリコールと騎馬民族 | 元広島ではたらく社長のblog

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六本木ヒルズや、ITベンチャーのカッコイイ社長とはいきませんが、人生半ばにして、広島で起業し、がんばっている社長の日記。日々の仕事、プライベート、本、映画、世の中の出来事についての思いをつづります。そろそろ自分の人生とは何かを考え始めた人間の等身大の毎日。

トヨタのプリウスがリコールとなった。出る杭は打たれるということで、アメリカ議会、マスコミはこぞってトヨタ批判。豊田社長のまずい会見もあり、イメージダウン気味のトヨタ。

昔の原始的な動力機関であった自動車時代と違い、電子部品が多用され、電気自動車になるにいたってはコンピュータ制御が重要な自動車の課題になった。電子制御の不具合は、早晩どこかの会社で必ず出てくる問題だったのだろう。マイクロソフト社がOSを変えるたびにさまざまな不具合、使い勝手の悪さが出てくる状況。自動車もよほど慎重にコンピュータ制御の問題を扱わなくてはいけない時代の到来ともとれる。

さて、ズボンをはき、ベルトを締め、少しでもいい草(収入、仕事)を探して定住しない(家は持っても)現代人は、明らかに遊牧民族、騎馬民族の末裔。少しでもいい馬を得るように、現代人も車には憧れを持つ。しかし、いい馬でも、うまく乗りこなせるとは限らない、いい馬に限って、癖があるかもしれない。低速でブレーキを静かに踏むと、ブレーキが効かないという今回のプリウスのリコール。車に乗りなれた人なら、プリウスにはこういう癖があるのだなとわかり、早々と乗りこなしてしまうかもしれない。いや、ほとんどの人が乗りこなしているから、大事故にはなっていないのだろう。

そんな癖レベルと思っていたことが、いつの間にかリコールにされてしまったことに豊田社長は忸怩たる思いがあるかもしれない。また、ある程度、記者会見で不服顔を見せないと現場の士気にかかわると思ったのかもしれない。記者会見のやり方は合格点ではないけど、トヨタほどの会社がマスコミ対策、イメージ戦略をおろそかにはしないだろうから、各方面にバランスを図ったら、ああいう会見になったのかもしれない。

しかし、トヨタのリコールは実は頻繁に起こっている。世界ナンバーワンになったのが、追い抜いたというよりは、1位、2位の自滅といった状態で、いつの間にか、マラソンの先頭ランナーになったトヨタ。先頭は風圧もあり、どのくらいのペースで走っていいかわからない。かといって、いまさらレースを降りるわけにもいかなければ、失速するわけにも行かない。環境問題、大不況のなか、自動車業界のゴールがどこにあるのかもわからない。

のらりくらりと質問をかわす総理大臣に比べたら、トヨタのみならず、世界中で数億人はいるであろう、自動車産業で働く人々の生活を背負っている豊田社長。背負っているものはとてつもなく重い。

プリウスで危うく事故に、あるいは実際に会われた方には申し訳ないが、豊田社長を静かに応援したい。

がんばって!