『Avatar』を観に行った。ただの3Dでなく、IMAX3D。でも、3Dといっても、そこまですごいとは思わなかった。昔、観た『ジョーズ3』とそんなには違わない。画面の左右から近接物が横切ると、3Dであることを実感するけど、画面奥の対象物は至って2次元。昔から映画業界、家電業界は3Dを起爆剤としたいのだろうけど、そんなに流行りそうに無い。だけど、予告編に出てきた『不思議の国のアリス』も3D。宙に浮かんだチェシャ猫にはびっくり!3D作品は今後たくさん出るようで、本格的な3D時代になるのかも。
話は、惑星パンドラで、超高額のレアメタルを採掘する企業、その私兵となっている海兵隊。パンドラの先住民ナヴィと交流しながらパンドラの植物大系を調査する科学者。パンドラの先住民ナヴィのあいだに繰り広げられる動乱。
ナヴィと交流するため、ナヴィと人間の遺伝子でナヴィそっくりに作られたAvatarと交感し、先住民に溶け込んでいくジェイクは、海兵隊員でもあり、レアメタル鉱区の上に住むナヴィの部族を立ち退かせる使命も帯びる。ジェイクのAvatarは、部族の中で、戦士と認められ、やがて村長の娘と恋に落ちる。しかし、レアメタルを採掘する企業と海兵隊は、部族の拠り所としている巨樹を焼き払う作戦がひそかに進行し・・・・・・というもの。
話自体は、ありふれた感じ。部族の大事な巨樹を焼き払われたあと再起の演説をする場面は、『インディペンデンスデイ』の大統領の演説、もっというと、9.11後のブッシュ、パールハーバー後のルーズベルト。アメリカ人が好きなシチュエーションだ。
全体的に観ていると、『エイリアン2』を思い出す。海兵隊は宇宙時代でも最強だし。人が胸部に乗るロボットも健在だし、上陸艇も似ている。
ヒスパニック系の小柄な女性隊員は、仲間思いの小気味いい最期を遂げる。そして、極めつけはシガニーウィーバー登場。アメリカだったら、彼女が登場したら爆笑かも。それにしても、シガニーウィーバーは辺境の星がよく似合う。
ただ『Avatar』では、悪役は人間。無抵抗な先住民を殺戮し除外するのは、アメリカのインディアンへの仕打ちそのもの。一応、企業なので、株主の意向を考慮するなんてシーンもある。そういえば、エイリアンも乗員の生命よりサンプルとしてエイリアンを捕獲するプログラムが起動するなんてこともあった。真に怖いのは、人がコントロールできなくなった利益を第一義とする企業活動なのかも。
ブルーレイ化しても、家のテレビの画面では面白さ半減。今のうち、また劇場に行くってのもありかも。


