マイルスデイビスの『Kind of Blue』を聞いた。
5年ほど前に、サックスを始めた。「虹を越えて」「聖者の行進」といった教本に載ってる曲から、「サマータイム」や「やさしく歌って」といったスタンダードまで。
先生や、先生が紹介してくれるJAZZライブに行くと、有名ではないけれど圧倒される。特に即興というセッションでは、各自が、自分の得意とするリズムやフレーズを探り、探り吹きはじめ、少しづつ変化を加え、転調し、大胆に流れを変えたり、又元に引き戻したりと、聴いているこちらが極度の緊張感を強いられる。音楽にこんな楽しみ方があったのかと思わされた瞬間だった。ただし、ジャズそのものには詳しくない。考えてみると、有名な人がありすぎて何から手をつけていいかわからないのが実際だった。
しかし、マイルスデイビスは以前からその伝説に満ちた人生を知り聴いていて見たいと思っていた一人だった。
中古CD屋には、沢山のCD。代表アルバムが何か知らないので、何から買っていのかわからなかったけど、選んだのが、『Kind of Blue』。私が人生で始めて買ったJAZZアルバムは、『Kind of Blue』。
マイルスは、強烈なトランペットというのがイメージだけど、『Kind of Blue』は、コルトレーンにキャノンボール、ピアノにビルエバンスという贅沢なメンバー。聴いてみると、印象とは違い、静か。
しかし、しかし、「神様、ありがとう、マイルス、ありがとう」。すばらしいアルバムです。普段、電車の中で、ウォークマンを聞かない自分でも『Kind of Blue』聴いています。
ブライアンイーノのアンビエント曲とか聴いているからなのか、結構こういうアルバムが性に合うみたいで、ビルエバンスのたゆたうようなピアノの音に、絡みつくようなマイルスのトランペットが、半世紀前の息遣いが聞こえるようで、かっこよすぎる。「Blue in green」は特にかっこいい。冒頭のエバンスのピアノからマイルスのミュート・トランペットが入り込む瞬間は、音楽っていい!神様ありがとうといいたくなる。コルトレーンのサックスもかっこいい。わずかだけど、2人の天才と、名曲を前にして引けをとるまじという、意気込みが伝わる。
様々な電子音、かき鳴らすギターのロックの方が自分にはあうと、思っていたが、いつの間にか体質が変わっていたようで、いや食わず嫌いだっただけかもしれないけど、これからJAZZにはまって”生”きそうな予感がします。

