『空へ-救いの翼-Rescue Wing』 | 元広島ではたらく社長のblog

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六本木ヒルズや、ITベンチャーのカッコイイ社長とはいきませんが、人生半ばにして、広島で起業し、がんばっている社長の日記。日々の仕事、プライベート、本、映画、世の中の出来事についての思いをつづります。そろそろ自分の人生とは何かを考え始めた人間の等身大の毎日。

『空へ-救いの翼-Rescue Wing』を見に行った。

http://www.sorae-movie.jp/blog/

実在する航空自衛隊小松基地の航空救難団の女性へリパイロットの物語。


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新潟県中越地震、中国の四川大地震での消防庁ハイパー救助隊の活躍、最近の映画『海猿』『252』など、人命救助に携わる自衛隊、消防庁、海上保安庁の活躍が事実、フィクションを問わずよく見かける。

この映画も、その流れか、自衛隊の活躍を描く。


物語はいたってシンプル。救難団初の女性パイロット川嶋遥風(はるか)は、まだ未熟な操縦しかできない。操縦ミスや、救えなかった命を悔やんだり、隊員としても悩んでばかり。周囲の人間に励まされ少しづつ成長する。そして同基地所属のF15が海上で行方不明になり、火災船救難の別任務で洋上に居た遥風のヘリが急遽駆けつける。脱出し海に漂流するF15のパイロットを見つけるが燃料切れのため引き返さなくては無くなる。万策尽きたかに見えたが、洋上任務中の海上自衛隊護衛艦が近くの海域に居ることを突き止める。急遽、護衛艦に、連携要請し、漂流するパイロットを救出後、給油のために艦上に緊急着陸をすることになる。ただし、遥風のへりの主操縦士は任務中に負傷、副操縦士である遥風みずから困難な艦上着艦をしなくてはいけないことになる。そして・・・・・という内容。

カンヌや、ベネチアで賞をとる難解な映画より、こういう映画のほうが見ていてスーッとする。

嵐の海、誰も居ない山岳地帯で緊急の怪我や病気で心細い思いをしている救いを求める人たち、又その家族にとってヘリの爆音が、こんなに心強く、人を喜ばせるとは。素直な気持ちで見れる映画です。


特に主人公、遥風を演じた女優の高山侑子ちゃんがよかった。23歳役を演じたが実はまだ16歳。表情や演技はまだまだ子供なんだけど、ひたむきなまなざしは、この役にぴったり。さらに、ネットで検索すると彼女のお父さんは、航空自衛隊新潟救難隊の隊員で数年前に殉職されている。女優にならなかったら本当にパイロットになっていたかも。


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劇中、F15から救難団ヘリに移籍した人間と、同期の戦闘機乗りが話すシーンで、「ヘリの操縦席の後ろには、命を背負っている。F15の操縦席の後ろには国家を背負っている」という会話がある。日本という国の兵士は単純にはいかず、その複雑な時代背景、国民感情から哲学者にならざるを得ない。矛盾だらけの法律の中で、犬死する可能性すらある。そういう思いを背負いながら、日々任務に勤める自衛官の懊悩もわずかにこの映画の中に垣間見ることが出来る。折りしもイラクでの任務に当たっていた航空自衛隊が帰ってきた。任務中に一人の犠牲者も居なかったことは奇跡に近い。ご苦労様でした。

幸いなことに日本の自衛隊は救う命の数は増えても、奪った命の数はない。こんな世界に誇れる軍隊を日陰におかず、むしろ世界に胸を張って示すべきだろう。21世紀のあるべき軍隊の姿として。


TVとかでほとんど宣伝していないみたいだけど。是非見てください。勇気がわいてきます。


最期にシネカノン有楽町で見たんですが、スクリーンが小さく、たてながの会場。座席指定で、希望を聞かれたら、迷わず1列目か2列目がいい。後ろだったので、TV見てるみたいだった。