韓国人の名前と漢字の未来、そしてグローバリズム | 元広島ではたらく社長のblog

元広島ではたらく社長のblog

六本木ヒルズや、ITベンチャーのカッコイイ社長とはいきませんが、人生半ばにして、広島で起業し、がんばっている社長の日記。日々の仕事、プライベート、本、映画、世の中の出来事についての思いをつづります。そろそろ自分の人生とは何かを考え始めた人間の等身大の毎日。

韓流ブームと言われるようになって、久しい。

一時のブームに終わらず、依然、韓国人俳優に人気があるのは、日本人俳優にめぼしい人がいないためか?あるいは、徴兵制があり、それを通過した男の持つ無骨さや、野性味が日本人男性には決定的に掛けているためかも。


韓国の人の名前、以前は、朴正煕、金大中、盧泰愚、洪明浦、盧潤延・・・と、政治家、サッカー選手は、漢字で表記していたが、いつの間にか、ノ・ムヒョン、ぺ・ヨンジュン、イ・ビョンホンとカタカナ表記になっている。数十年前の、ニュースでは、金大中氏を、きんだいちゅうと、読んでいた。これは、漢字の日本語読みなので、その後、韓国語読みの、きむでじゅんと言い換えるようになった。

表記は漢字、発音は韓国語が、一般的だったのに、最近、表記はカタカナ、発音は韓国語に変わったのはなぜか?子どもに漢字で名前をつけるときは、音でなく、漢字の意味も考えて、考えて、つけるわけだから、韓国人の人が、日本のTVを見たとき、漢字でなくカタカナばかりだと気分を害しないか?ついでに、毎度のコトながら、外交問題になるんじゃないかと気に病んでいるのは、私だけじゃないはず。ネットで、色々調べると・・・・・。


最近の韓国では、子どもに漢字で名前をつけても、ハングル(表音文字、日本の平仮名や、カタカナのようなもの)で書くことが多く、自分の名前を漢字で書けない人も多いらしい。日本人でも、幼稚園や、小学校に入学した頃、自分の靴や、名札に、平仮名で名前を書いているが、その内に、漢字の名前を覚えて自然に定着するけど、どうやら韓国では、そのプロセスを飛ばして、ハングルだけで、人の名前が、表記されているらしい。このため、日本のメディアも、ハングルの音だけを変換したカタカナのみの表記になったらしい。現代韓国で漢字が廃れて行ったのはなぜか?


これもネットで色々見てみると、漢字を使わなくなったのは、最近でなく、第二次世界大戦が終わって、韓国が日本から独立して直ぐに、「外来語である漢字を使わずに、ハングルだけを使おう」という法律が出来たそうです。その後、1970年代の政府が、さらに厳密な法律を運用させ、漢字がどんどん死に絶えて行ったという経緯があるそうです。李承晩、朴正煕という、冷戦下のコチコチの軍事独裁政権時代に、反日教育と並んで、ナショナリズム高揚のために採用された政策のために、漢字が使われなくなったというのが実情のようです。70年代の法律以降、つまり今の30歳代以下は漢字はほぼ使えないようです。


日本も、漢字を使う国民。奈良時代に、唐という、世界帝国に多くの僧、学者を派遣して、漢字を輸入した。漢字と共に、仏教、儒教といった思想、哲学、土木工事、天文といった科学技術も多く得てきた。さらに後年、幕末や、明治期に福沢諭吉といった人が、西洋の哲学思想、科学技術を翻訳するとき、既存の日本語で表現しきれない概念、事物を、漢字二字の組み合わせで単語を作り、飛躍的に日本語の語彙が増やし、理解の助けとしたことも、漢字を使ってきたことの恩恵。その日本語に訳されたルソーや、マルクスを通して近代中国、韓国に西洋の自然科学、社会主義が紹介されていったことを考えると、漢字の存在は、東アジアの国々に絶大な影響を与えたといえる。今日、私が、いろんな本を読んで理解したり、言葉を使い、人と話して理解しあえることも漢字のおかげなのである。


そんな、漢字を使わない、使えない、韓国はかわいそう。少なくとも、これまで使ってきた1000年以上の歴史において漢字は色々貢献してきたはず、中国、日本と共通の財産を無にしているのはもったいない。過去の自国を否定しているようでさみしい・・・・・・。


いま、グローバリズムが進展し、労働市場に異変が起きている。インターネット、通信技術の高度化、普及で、発展途上国でも、英語を話す国では、アメリカやイギリスの会社のコールセンター、ITエンジニアの下請け会社が進出し、経済発展の様相を見せている。イスラエル、インドのバンガロールは、つとに有名ですが、最近ではアイスランド、ニュージーランドも発展している。大英帝国の繁栄で、世界中に出来た植民地。母国語を失い英語を公用語にした代わりに、現代のグローバリズムの恩恵を得ているところも出てきている。ヒマラヤの麓、ブータン王国では開明的な国王の下、学校教育はすべて英語で、教えている。大学卒業後、欧米の一流企業に就職したり、海外との取引も頻繁になり、経済発展につながっている。その反面、性風俗、薬物汚染等欧米の悪徳も流入し、負の遺産も抱えているようだが・・・・。


お隣韓国も、行き過ぎた受験戦争の影響か、漢字を憶える労力をまわせたのか、英語教育に関しては日本に比べ、成功している。携帯電話をはじめ、ITの分野で日本に勝っているものも多い。韓国を出てアメリカに移り住む人も相変わらず多い。


日本も経済発展という大前提の前では、好むと好まざるとに関係なく、英語教育の質、量共に増大させなくてはいけない。小学生に苦労の種を増やすかもしれないが、この苦労をさせないことのデメリットが大きいかも。将来に日本人に、なぜ英語教育に力を入れなかったのか、と言われないように。


漢字、ハングル、英語、そしてその言葉が生み出した先人たちの大いなる遺産。英語を中心とした言語で進展していくグローバリズムとその経済的な恩恵。いずれも、私たちや、私たちの未来には必要なもの。何でも欲しがる者は、何も得られない。私たち日本人も何かを失うことになるかもしれない。(お金は最後まで手放さないかも)

お隣韓国が、漢字を使わないことで失ったもの、得たもの、ちゃんと見ていかなくてはいけない。