英会話学校 NOVAが倒産した。439億円という負債額。また、前払い授業料が当初より多くありそうなので、プラス200~300億円増える見込み。連日、このニュースが流れている。社長は行方をくらまし、外国人講師、生徒は、苦境に立たされている。
一昨日からは、何の必要があってか、大阪の改装費5000万円の豪華な社長室と、隠し部屋が公開された。猿橋社長の『企業の私物化』の実態を明らかにさせるというのが、保全管理人になった弁護士の言。しかし、600億円以上の負債からするとわずかな額。本当の経営破綻の原因はどこにあるのだろう。
その(日本テレビの)ニュースの中で、昨年末、猿橋社長と豪華な社長室で、行ったインタビュー場面を紹介した。誇らしげに社長室内、大阪の夕景を案内する猿橋社長の映像が流れた。経営破たんしなければ、この豪華な社長室を非難することもなかったろうけど、今となっては、憎悪の対象でしかない。しかし、猿橋社長個人に憎悪を向けさせようという恣意を感じなくも無い。NOVAに関しては契約トラブルも多く、本来、マスコミは批判の対象にしなくてはいけないのに、恭しく、豪華な社長室を紹介して、公共の電波で流すという作業をしてきたのはなぜか?
それは、TV局に落ちる圧倒的なNOVAのCM、広告宣伝費によるのではないか?とすると、今回の破綻劇の影にTV局、広告代理店の責任があるのではないかという推論が成り立つ。で、ネットで色々検索すると同じことに思いが及んだ人がたくさんいた。(タウンミーティングの問題のときも、本当にうまい汁を吸っていた広告代理店を批判したニュース番組は皆無。)
NOVAの広告宣伝費・・・・・・80億円
http://q.hatena.ne.jp/1154199723
TV局、電通の責任についてのブログ その1
http://montagekijyo.blogspot.com/2007/10/blog-post_31.html
TV局、電通の責任についてのブログ その2
http://kurokawashigeru.air-nifty.com/blog/2007/10/1026_b79c.html
さらに、企業の経営状況、社会問題等に配慮せずに安易にクレジット契約を結ばせる信販会社も、このNOVAの経営破たんにおいて、責任があるはず。
さらに、さらに厚生労働省の教育訓練給付金という制度にも問題があった。
一定条件を満たした語学学校やパソコン、資格試験の学校、通信教育の受講料の80%(上限30万円)が、給付されるという制度。これは、その後20%(上限10万円)、40%(上限20万円)の2種類に激減し、先月2007年10月1日からは、20%(上限10万円)になった。一度もらった人は、3年から5年はもらえないので、この給付金を当てにした英会話学校などは、制度の急激な変貌と共に、大きく経営内容を悪化させてしまう結果になっている。
交付金、助成金、補助金、給付金、奨励金・・・・政府のバラマキ政策は、社会をある一定の方向に誘導するための施策として有効な反面、それが無くなった時の反動が怖い。英会話学校なんて、まだまだ社会的には不確かなビジネスモデル。政治家をはじめ、いろんな業界の人が、厚生労働省経由の巨費が落ちたNOVAに群がったが、今は、猿橋氏を悪者にしてフタをしてしまおうというところ。給付金の財源は、雇用保険なので、給付金を受けていない国民にとって見れば、自分たちの保険料が、厚生労働省に吸い上げられ、NOVAに落ち、NOVAに群がる連中に食い物にされ、600億円以上の負債という屍に姿を変えていることになる。講師、受講者には気の毒だが、よもや税金で救済なんてこと、安易にしないで欲しい。その前に責任を問うべき人は、明らか。
時代の寵児に、一切の責任を押し付けようとしているところは、ホリエモンのときと同じような気がする。違うかな?
NOVAの経営破たん問題、猿橋社長一人を悪者にする前に、よ~く考えて見なくてはいけない人が、ほかにも、まだいるかも。