『HERO』 ドラマの中に隠されているもの | 元広島ではたらく社長のblog

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六本木ヒルズや、ITベンチャーのカッコイイ社長とはいきませんが、人生半ばにして、広島で起業し、がんばっている社長の日記。日々の仕事、プライベート、本、映画、世の中の出来事についての思いをつづります。そろそろ自分の人生とは何かを考え始めた人間の等身大の毎日。

映画、『HERO』が大変人気だそうだ。


以前TVでやっていた、スペシャルドラマが、事件の発端ということで、そのときのドラマの内容うを憶えている人って少ないから、映画を見に行っても、わからないのでは?と、思っていると、さきほど再放送していた。


TV局が作った映画だと、こういうサービスが出来る、明日以降、さらに観客動員数は増えるだろう。しかも、日曜日の夜、ゴールデンの時間帯に、制作費ゼロ(再放送なので)だから、スポンサー料丸々儲け、こんな楽な仕事は無い。フジテレビにとって、『HERO』は、まさにヒーロー!


で、ドラマを見て、一つ気づいたことがあります。


ドラマの終盤、主人公の元上司、児玉清さん演じる、検事が、立件できなかった政治家の贈収賄事件に、キムタク演じる久利生検事を、山口の任地から東京に呼び戻し、起用しようとする場面。

「彼を呼び戻します」

「彼とは?」

「彼ですよ、彼」

と問答をするんだけれど、その児玉さんの後ろの窓際にあったランプ、マーブル模様のキノコのようなデザインのランプ。多分、作者はガラス工芸家のエミール・ガレ。『なんでも鑑定団』にも、たまにでてくるアールデコの芸術家。(ガレ本人の作ではない、ガレ風のランプかもしれないけど)


gare

こんな感じのやつ

彼(かれ)と、ガレを掛け合わせて、児玉清さんに言わせていたんだと思う。


ドラマとか、映画の中のディテール(細部)に、誰も気づかないような細工をしていることがある。超有名人なのに、一瞬登場するカメオ出演、作家の京極夏彦さんは自分が原作の映画にちょい役で、よくでてくる。また、洋画では、聖書にでてくる、暗号めいたものや、黙示録に出てくる動物を、暗示的に作品に入れたりする。ドストエフスキーだったかロシアの作家のが有名ですよね。


それに比べると、彼とガレ、気がつかない人は、全く気がつかないとと思うけど、一応、考えた人、製作者に敬意を表します。わかりましたよ!って、全く関係なかったりして。


でも、『HERO』って、けっこういろいろ考えさせられます。

結構、考えさせられる台詞言っています。

タレント弁護士が増え、重要な判決のニュースが毎日流れ、裁判自体がエンターテイメント化している現代、本当に被害者の側に立った検事、弁護士、裁判官、マスコミというのが、どれだけいるか。登場人物の何気ない台詞にこそ、聖書の言葉以上の意味が隠されているのかもしれない。

ガレ、見つけて喜んでる場合じゃない。


週末あたり、のこのこ観にいったりして。またしてもフジテレビの術中に落ちそうな私。