国土交通省が、全国の一級河川の2006年度の水質調査結果を発表した。
ランキング一位は、9水系
北海道 尻別川水系
北海道 後志利別川水系
北海道 鵡川水系
北海道 沙流川水系
富山県 黒部川水系
静岡県 安倍川水系
三重県 宮川水系
島根県 高津川水系
熊本県 球磨川水系
私が住んでいる広島から一番近い島根の高津川は、今年初めて1位になった。どこのことかと思って、ネットで調べると、旧六日市町(現在古賀町)を水源とする島根県、最西部を流れる川。

数年前の夏、島根県益田市に仕事で通っていたとき、一度だけ、この付近を通ったことがある。
中国自動車道、六日市インターチェンジを下りて、後は、国道187号を北へ進む。冬は豪雪地帯となるこの地域、民家はほとんどなく、周りはうっそうとした緑。とある峠を越えた瞬間、眼前には、遠くまで見渡せる開けた風景。視界の奥、遥かかなたに山があり。その麓には数件の家屋がかすんで見える。あとは一面に田んぼが広がる風景が表れた。
「日本の原風景」
なぜかそのとき、その言葉が頭に浮かび、海外旅行で遺跡や神殿を行くよりも、日本中のこういう風景を探しに行くのもいいかなと思った。数年前、四国で、大雪に会い、高速道路を下ろされたとき、徳島の平家の落人の里といわれる祖谷渓谷を通ったときもおなじように感じた。
(昨年、『写真家の旅、原日本、産土を旅ゆく』宮嶋康彦という写真家が日本中を旅して、美しい、心に響く風景を多く撮った写真集が出た。
田中角栄の列島改造、バブル期のゴルフ場、リゾートの乱開発以前の日本の風景なんて、全然知らないけど、何か心に直接訴えるものがある。本屋で手にとって見たけど、とても良かった。観光地やレジャー施設より、こういう場所を探して旅してみたい。)
その国道と併行して流れるのが、高津川。車で運転しながら横目に時々見え隠れする川が、時に深く漆黒の色をたたえていたり、時に清らかな、透明な輝きを持っている。何度も止まりたい誘惑に駆られながら、待ち合わせ時間に遅れないように先を進んだ。
その川が高津川。
たまに、『男はつらいよ』の再放送を見ると、昭和40年代の風景。そこに出てくる昭和40年代の田舎の風景は、明治時代から変わっていないんじゃないか、と思うものもある。そんな場所、風景に、出会ってみたい。