今月、10日、11日にフジテレビ系列で、『はだしのゲン』がドラマ放送される。
最近よく、番組宣伝CMがよく流れているんですが、主人公ゲンの、弟役の男の子が、最後にゲンの後ろから飛び出して、ニッと笑う瞬間があります。めちゃくちゃいい顔をしています。
私が最初に「はだしのゲン」に、会ったのは、小学校の3年か、4年のとき。新学期、新しいクラスの行くと、前の学年の生徒か先生が置いていったのか、学級文庫にありました。
「怖い」「気持ち悪い」と、皆、噂しあっていましたが、新学期始まってしばらくは、興味深々で、交代々々、みんなで回し読みしました。私の住んでいたのは、広島市の東にある田舎町でしたが、クラス担任になった先生の中には、原爆を体験している人、原爆の傷病者を救護した人も居て、身の回りに起きた原爆に関する不幸な話をよくして貰っていました。(広島県の教職員は、何かと世間で叩かれていますが、私は、ここで公教育を受けたことを幸福に思っています。)
「はだしのゲン」は、原爆そのものよりも、「非国民」であるとか、「朝鮮人差別」、火傷跡(ケロイド)を顔に負ったまま生きていく女性、ゲンがつるっぱげになる原爆後遺症、傷口に湧く蛆虫を取り除くアルバイト・・・・。正しく生きようとする人が報われず、ゲンをめぐる人が、これでもかと言うほど困難にあう姿は、悲しさより、悔しさ一杯で、とても辛かった。悪いやつは、やっつけろ!の勧善懲悪アニメくらいしか知らない子どもの私には、苦しい本でした。
本の中で、ゲンの弟は、原爆によって倒壊した家の下で火にのまれて死んでしまいます。(記憶ちがいかも)しかし、その後、弟に瓜二つの戦災孤児にであいます。生きるために、結構悪いこともするのですが、ゲンにはなついて、そのおどけたしぐさが面白かった。最後に2人がどうなったか忘れてしまったけど、自分では、ゲンと、その弟瓜二つの子分とのエピソードが、印象に残っています。
ドラマの子役は、ネットで調べると、今井悠貴くんといって「パッチギ」にも出ていた子らしい。
CMを見たとき、私の記憶の引き出しが突然開いてしまった!この役は今井君のためにある!
きっと見るからね