朝青龍関が、先場所の取り組みの結果、夏巡業を静養に充てるほどの、病状にもかかわらず、休暇先のモンゴルで、中田英寿さんらとサッカーに興じる姿がTVで放映され、非難を浴びている。
もし、中田英寿が、一緒にサッカーやろうといわれたら、私だったら、足の骨が折れていてもやる。子どもたちも参加する行事、少々の痛みを忘れても、自然と笑みがこぼれるのは仕方が無い。映像は唯一フジテレビが持っているようだけど、もう少し、大人の対応も出来たのではないかな。
年中休みも無く、部活をしている高校生が、ケガをして、部活を休むとなると、家でじっとせずに遊ぶはず。年6場所、間に巡業だらけの力士にすれば、少しは羽を伸ばしたい。確かに、朝青龍は、子どもっぽい所があり、横綱にふさわしい行動が出来ないこともあるが、21歳で横綱、今26歳、まだまだ、社会人としては、半端で、幼稚な26歳なんて、いくらでも居る。ただ、朝青龍には叱ってくれる人がいる。
相撲協会や、横綱審議会だ。
飲酒運転で検挙されたフィギュアスケートの織田信成くん。心から反省している記者会見があった。まだ20歳。
彼にも日本スケート連盟、関西大学という、叱ってくれる人、指導してくれる人がいる。
狂言の和泉元彌さんは、公演への遅刻や、その他の行動で能楽協会を、追われた。協会は、さじを投げたわけだけど、除名されたときは、20代半ば、まだまだ社会人半人前、先代(父)を亡くしたばかりで、あの世間知らずっぽい節子ママと共に、まだまだ叱って、指導してくれる人が必要だったのではと思う。(節子ママ、なんと秀吉の参謀、竹中半兵衛の子孫、ということは元彌も。)
協会、連盟には、興行的にスポーツを成功させ、選手、会員を育成指導する義務がある。才能ある人材となると若い人も多く、メディアにちやほやされる。しかしお金を稼ぐ以上、社会人と同等、世間への影響力を考えるとそれ以上の自律、規範意識を持たせなくてはいけない。朝青龍も、織田信成クンも、叱ってくれる人がいてよかった。
会社には、鬼のような上司、ガミガミ言う人、口うるさい上司がいる。最近は、
① 嫌われ役をやりたくない
② 若い人とのコミュニケーションを敬遠したい
③ 違う世代に、ガーンと言えるほど自分の価値基準に自信が無い
④ ガミガミ言うより、自分でやったほうが早い
⑤ あきらめている
等の理由で、減っている人種。
ある程度、社会に出て年数が経つ人。特に”この人できる”と言う人には、必ず、『叱られた記憶』、『ガミガミ言われた記憶』がある。私が出会う、社長さんや、お客さんも、誉められた記憶と同じかそれ以上、叱られ、ガミガミ言われたことをあり、さらにそれが良かった、自分のためになっていると皆、言っている。自分自身、そういう人が、印象に残っているし、今後は、それを若い人に伝えていかなくては、と思っている。以前はたらいた会社の上司、その頃は、嫌な上司だったが、今考えると、叱られたことが、自分の血肉になっている。いつか会えたらお礼を言いたい。
安倍首相は、52歳。まだ若い。閣僚人事の不適切さ、選んだ閣僚の様々な不祥事、一度庇った以上、庇い続けるという頑なな姿勢。記者の質問には、違う論点にすり替えると言う不誠実な受け答え(幾分逆ギレ気味)。根っから悪い人には見えないし、自身がこの1年、悪いことをしていないことは確かだが、人間としての成熟度は、まだのよう。
しかし、安倍さんは若い。自民党や、政界以外にも、いろんな助言をしてくれる人は多いはず。なにより、叱ってくれる人が。
直接、国家元首を選挙で選ぶ仕組みの無い日本では、衆議院、参議院の国政選挙の結果で、政権が変わってきた。変えなくてはいけないという法律は、どこにも無いが、選挙は、国民の意思表明の唯一の場。結果は国民意思そのもの。戦後60年、この国の民主主義の暗黙の、そして根幹のシステムとして確立、機能してきた。
安倍さんの続投は、日本人が長年かけて積み上げてきた民主主義のルールを否定することとなるようで、安倍さんの資質以前に、問題にして欲しいと思う。政権を私物化しているようで、独裁国家、北朝鮮の高官にも心配されているのは、なんとも情けないが。
昨日は、自民党の役員会で、先輩議員に、そうとう小言を言われたよう。参議院選挙敗戦後に言うのは誰でも出来る。選挙前に本気で叱ってあげた人は居たか?
また、中曽根、海部、森の歴代首相にも相談に行った。3氏は、会見で、みな優しい言葉で、続投を支持し、励ましたという。今の阿部さんには、励ましも必要だけど、厳しく叱ることもしたのだろうか?
代々の世襲の政治家、一般社会で、しごかれたり、挫折を味わってと言う人でない安倍さん。非難されると、私は悪くないという意固地さが出る。小泉さんも、イギリス留学から、父の突然死で帰国、そこから、一般社会を知ることなく議員生活に入る。清廉ではあるが、徒党を組まず、人に相談せず、森元首相に叱られてもどこ吹く風。
世襲議員の負の遺産が色濃い日本政治。叱る人も居なければ、叱られることに慣れていない人もいる。
議事堂内で、飲食、私語、携帯電話、徘徊している議員に誰も何も言わない政治家。叱り、叱られの風土が無いところに人の成長は無いだろう。企業は、叱れる上司研修等、迅速に組織風土改革に対応しているところもあるが、政治家の鈍いこと。
最後に提案。日本悪人党の浜田幸一さんと、星野仙一さんを、ガミガミ大臣に任命し、首相府、国会議事堂、中央省庁、各政党本部を歩き回って、そこらじゅうの人間を叱って歩いて欲しい。首相を叱る権利も付けて。
人材育つよ。新安倍内閣のサプライズ人事にいかが?