最近、エアコンのCMとか、TVでよく見かけるモデルさん、ネットで探すと、西山茉希さん、新潟県長岡市出身とでた。長岡市といえば、司馬遼太郎さんの『峠』、その主人公である河井継之助、旧日本海軍元帥、山本五十六、そして、3年前の中越地震が思い浮かぶ。そして、小泉元首相が、好きな歴史の話、『米百俵の精神』の舞台でもある。
『米百俵の精神』は、大昔の話ではなく、つい100年ちょっと前の明治時代の話
http://www.city.nagaoka.niigata.jp/kurashi/bunka/komehyaku/kome100.html
明治新政府が出来た後、幕府側についた長岡藩は、戊辰戦争の最も激烈な戦闘を強いられる。焼け野原になり何にも無くなった藩を立て直す小林虎三郎は、救援物資である米百俵を、将来の藩を背負って立つ人材育成のため、学校設立の資金にしたというもの。食料として食べれば、一時の空腹は満たせるが、学校の教科書、教材を購入し、将来に役立つお金の使い方をした。反戦と教育の重要性を説く、このエピソードは後に、山本有三の戯曲で世の中に知れ渡るそうだ。本当に日本中に広まったのは小泉さんのおかげ。そして実際に、この学校からは、東京帝国大学総長の小野塚喜平次、解剖学の医学博士の小金井良精、司法大臣の小原直、海軍の山本五十六元帥(NHK大河ドラマ風林火山の主人公山本勘介は先祖らしい)を輩出した。
今回、中越沖地震では、長岡市の隣り柏崎市が、甚大な被害を受けた。
・柏崎市の備蓄していた医療品の大部分が期限切れ
・原発のある刈羽村は、米の備蓄はしていない。災害時には地元農協に米を供出してもらう仕組みにしていたが、農協とは協定は結ばれておらず、知らされても居なかった。
・犠牲者の一人は、病院に受け入れを断られ続け、救急車で1時間以上も行ったり来たり
ニュースで、聞くかぎり、3年前の地震の教訓が活かされていなかったような・・・・。この地域は地震に限らず、豪雨などの災害も頻発している。想像力を無理に働かさなくても、目の前にある脅威は分かっていたと思うが・・・・・財政難なのか、アイディアを出す人間が居ないのか、国はほったらかしにしているのか、生かされなかったメカニズムを解明しなくてはいけない。
ちゃんとできたことより、出来なかったことのほうが、TVではニュースにしたがるので、もしかしたら、うまく回避できた悲劇と言うのもたくさんあるかもしれない。が、信じられないようなニュースが流れるたびに、それも期待薄。しょせん人間が、予測できることには、限界があり、自然災害の猛威の前では無理なのかもしれないが、出来たことと出来なかったことを検証し、できる部分を少しでも増やすことが、これからの防災行政に求められていることなのだろう。環境がどんどん破壊されている今、災害の発生数はまだまだあがるだろうから。
私の選挙区では、明日の参議院選挙に、防災担当大臣が出る。HPには、災害に強い国づくりとある。内容は、予防的なものでなく、災害が起こった後の復興のことが書いてある。防災担当と言うよりは、復興担当。建物を建てなおすほうが、経済が活況になる、と言うのはうがった見方か?
『米百俵の精神』は、防災の教訓ではなく、教育の重要性を説くもの。時間がかかり遠回りかもしれないが、いい政治家、いい官吏、いい人材を育てるところからやりはじめなくてはいけない。さて、それを本当に実現できそうな政治家、政党はどこかな。