中学生のときの地理の勉強で、中国には、人民公社というのがある。と習った。しかし、自分たちが習った頃には、既に、人民公社は、機能していなかった。というのを、大きくなって知った。
同じように、世界で、面積の広い湖というと、カスピ海・・・・に続き、4番目にでてくるのが、アラル海。そのアラル海が、今は見る影も無い姿になっているということも、最近知った。
今日の、TV朝日の『素敵な宇宙船地球号』は、そのアラル海の特集だった。
http://www.tv-asahi.co.jp/earth/
北海道ほどの面積のアラル海は、ソ連のスターリン時代に、アラル海に注ぎ込む2つの大河、アムダリア河とシルダリア河流域を綿花の一大産地にするため、無計画な灌漑計画を立てた。このため、アラル海に注ぎ込む水は、40年間で激減し、現在のアラル海は南部の大アラル海と、北部のわずかな小アラル海に分断された。2つ足しても、4分の一の面積になっている。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%94%BB%E5%83%8F:Karte_aralsee.jpg
”人類史上最悪の環境破壊”といわれている。
また干上がった湖(海がつくくらいなので塩湖)の塩分が風で、周辺諸国に撒き散らされ、耕作地に塩害が広がっている。塩害と、水のない生活を強いられる住民はおもい環境病になっている。また、塩害を防ぐために植林された潅木も、漁業や農業を追われた貧困層が、燃料代わりに刈り取っていっている。スーダンのダルフール紛争のように、”貧困と環境破壊”が、密接な関係を持ち始めている。
番組は、工業社会の頂点、自動車産業のそのまた頂点を行くトヨタが、スポンサーを務める。皮肉な感じはするが、一週間が始まる前の夜に、結構いい番組をやっているのだ。
この放送では、アラル海を救うため、国連が、北部の小アラル海に援助して作ったダムの効果で、小アラル海の水位が戻っているところが紹介された。5年前、この番組で取材した漁師さんが、久しぶりに会ったスタッフに「俺の海が20メートル戻ってきている」と話しているところは、言葉だけ聞くと少々不自然で、いびつな台詞なんだけど、何かしら希望が見えてくるよう。
環境問題、子どもの頃からさんざん聞かされたけど、半ばあきらめていたけど、本気で社会が取り組もうとしている時代が来ている。様々な問題に真剣に取り組む、最初で、しかも最後のチャンスかもしれない。