小林旭 『古城の月』 | 元広島ではたらく社長のblog

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六本木ヒルズや、ITベンチャーのカッコイイ社長とはいきませんが、人生半ばにして、広島で起業し、がんばっている社長の日記。日々の仕事、プライベート、本、映画、世の中の出来事についての思いをつづります。そろそろ自分の人生とは何かを考え始めた人間の等身大の毎日。

昼間、車で移動中、FMラジオから、音楽が流れてきた。


誰が聞いても、誰だかわかる小林旭の声。曲は、何か、分からない。

、『熱き心に』という大滝詠一さんの歌を唄ったように、演歌歌手という位置づけもちょっと違うような気もするけど、イギリスのロックとかが好きな私には、特に聞くことは無かった。


が、独特のあの甲高い声と、流れてくる詞が、よかった。


時は流れて時と知り

友は分かれて友と知る・・・・・


とか、昔の中国の漢詩や、方丈記、奥の細道の、昔から日本人が慣れ親しんできた無常観のようなものを詞にしている。


今の流行り歌には、使い古された詞も多く、陳腐な印象を感じるが、ラジオから流れるその声、詞が妙に沁みた。最後に、曲名紹介があり、「コジョウノツキ」という、滝廉太郎の「荒城の月」かな?


夜、思い出して、ネットで検索してみた。「古城の月」という歌だった。


koba

作詞は阿久悠さん、土井晩翠「荒城の月」をベースにしているようです。


戦後のどたばたしていた時代に映画スター、美空ひばり、山口組の田岡組長との関係も、今は遥かな昔語りになっている小林旭さんだけに、歌詞が重層的に意味を持って耳に届く。全ては、荒れ果てた古城のように、栄華を残すものは無くなっていく。若い人よ、今を咲き誇れ!そして悔いの無いようにしろと、幾分説教くさいけど・・・。

昔の武士とかは、漢詩の素養があった。明治大正くらいまで、市井に漢詩を教える先生も結構いた。「三国志」で有名な吉川英治さんの小説なんか、簡潔で、リズム感があって、読みやすいのはまさに漢詩の心得があったから、とどこかで読んだ。今は、漢詩ができる人なんてまずい無いけど、この「古城の月」に歌っているモチーフみたいな物に、共感を覚えるのは、やはり日本人の遺伝子なのだろうか・・・。


古城の月 小林旭 歌詞情報 - goo 音楽

もしも、興味があればリンク先に行ってみてください。こころにぐっと来るものがあれば、あなた自身の日本人遺伝子を確認できる。あるいは単に年をとっただけかもしれないけど。


こんど小林旭のCD買ってみるかな。