先々週、仕事で大阪に行った。夕方から人に会ったので、帰りは、高速バスで広島に帰った。
新幹線なら、2時間だが、高速バスなら休み休みで、7時間。しかし、料金は半額。
10年以上前に、東京から広島にかえるときに使って以来。そのとき、乗り心地の悪さに、2度と使うまいと思ったが、最近の高速バスは、進化している、ということで、乗ってみることにした。
(しかし、規制緩和を受けてこの高速バス業界も競争が激化。乗務員に超過勤務を強い、居眠り運転などを原因とする交通事故、コスト削減でメンテナンスをおろそかにすることで起きるエンジンからの出火等安全面での問題は山積み状態)
バスは2階建て、3列の余裕を持った作り。ここは、10年前と変わらない。
バスは出発するとすぐに消灯。カーテンは外の灯火が入り、眠りを妨げないように最初から閉められている。
本を読んでいたが、あきらめ、リクライニングを倒し寝ることに。
しばらくすると、腰が痛くなり、体勢を何度もかえる。
前席の下にある足置きを引き出し、乗せるが、体を伸ばすと脛が、前席下部に当たる。
ふくらはぎを支える、座席下のオットーマンをせり出させたが、面で支えるのではなく、先端がアキレス腱の少し上に当たるだけ。足置きもオットーマンも機能していない。頭も固定できず、何度も体をくねらせる。
エアコンも入っていないので、汗がどんどんでる。
眠れないまま、3時ごろ、前席の人が、リクライニングをさらに下げたので、私の弁慶の泣き所に痛みが走る。
それ以降は、眠れず、結局一睡も出来なかった。本を読んだり風景を見るという気晴らしも出来なかったので、苦痛の一夜であった。2度と乗りたくないと思った。
私の乗った高速バスは、進化していなかった。
しかし、これだけ、問題の塊のような高速バスのシート。改良の余地が多いということは、充分ビジネスチャンスがある。航空機のファーストクラスとは行かないまでも、足置きやオットーマンが機能するだけでも充分差別化できるはず。2階建てサルーンバスといいながらも、シートは10年変わっていないようだから、この分野の企業はチャンスかも。もちろんコストダウン競争の中で更なる投資は厳しいかもしれないけど、女性専用のバスとか少し値段高め設定の高速バスなら導入するかも・・・。そう思いながらバスを降りた。
昨日、TVで、ちょうど、高速バス特集をしていた。
採り上げられていたのは、WILLER ALLIANCE株式会社という会社。
さらに快適な内装をうたった高速バスの新規参入組のよう。(女性専用をメインか?)
紹介されたシートは、色はピンクで頭をすっぽり覆うキャノピーが着いていて音や光を遮断し、プライバシーが保てるといった部分をアピール。他にも利点はあるかもしれないが、現在のものと見た感じは変わらない。
バブル崩壊後、価格破壊という言葉が流行ったように、『消費者は安いものを望んでいる』と言う理解の下、安全性、快適性、利便性・・・・いろんなものを犠牲にして、事故や不祥事も起こしてきた日本の会社は多い。価格だけでなく、他にも消費者のニーズはあると高級志向やデザイン志向で新しいビジネスのモデルにたどり着いた企業も多い。
高速バスのシート業界、そんなものあるか、良く分からないけど、まだまだ、成功のチャンスはある気がします。優れたシートを作って、私のように心が離れた客を呼び戻してください。