久しぶりに福田康夫元官房長官をTVで見た。自民党の土地調査会のまとめた政府への提言「200年住宅ビジョン」で。
昨年、自民党総裁選を直前で、出馬を断念。安倍さんの圧倒的勝利を見込んで、形勢不利と見た他派閥はこぞって、安倍支持を打ち出し、そのため、安倍さんは、いろんな派閥に大臣ポストを振りまくと言う人事を行った。そのため、「適材適所」でなく、「適材不適所」となった事情は、以前ブログに書いた。http://ameblo.jp/fielding-c/day-20070219.html
先日行った、塩野七生さんの講演で、ローマのカエサルと比較して、現代の政治家を評した。その中で、安倍さんのことを「回りに気を使いすぎる人」と言われた。妙に納得した。憲法改正、有事(紛争や戦争時)の法整備、靖国参拝などソフトな鷹派のイメージのある安倍さんだが、安倍さんの本当の姿は、「回りに気を使いすぎる人」とすると、いろんなことが違って見えてくる。
今年4月、靖国参拝の替わりに、「真榊料」として五万円を奉納したのは、ずるさと言うよりは、いろんな方面に配慮した安倍さんなりの気遣い。首相になるまで、安倍さんを支持してきた某宗教団体と距離を置き始めたのは、公明党やその他の団体に配慮したもの。そして、失言をしたり、不祥事を起こした大臣を庇ってきたのも、安倍さんの「回りに気を使いすぎる」気質から出てきたものだろう。気を使いすぎるから、これまで支持してきた人たちからは恨まれ、八方美人に映る首相を甘く見る人も増えてきているのかもしれない。政治家に必要な非情さやふてぶてしさみたいなものは、うまく身にまとえていない気がする。
今回の農相自殺の件も、一番自分を責めているのは、安倍さん自身のはず。戦後内閣では、類を見ない現職大臣の自殺に、本心では辞意を固めているのではないだろうか。明日、首相を辞めると言っても私は驚かない。安倍さんの、非情になりきれない性格は政治家向きではなかったのではと今では思ってしまう。内閣支持率がどんどん下がる中、逆に今こそ、首相にがんばれって、言ってあげたくなる。
今夏の参議院選挙は、自民党は思うような結果は残せないはずで、その結果によらず、安倍さんは辞任する気がする。そういう雰囲気を嗅ぎつけた人たちの、次の総理大臣に関する動きがあるのではと思った矢先、福田さんがTVに映った。自民党の土地調査会なんて、あまりマスコミは採り上げないニュースだが、国会担当の記者たちは、敏感に水面下の次期首相の動きを感じているのかもしれない。秋には、福田内閣発足と言うこともあるかもしれない。
そうなるとモウ一つのシナリオも考えられる。小泉純一郎復活だ。
政治家に必要な「非情さ」をこの人ほど持つ人は居ないだろうから。秋に第2次小泉内閣がスタートしていたら、このブログ思い出してください。