「高速道路逆走事故、65以上4割以上」・・・でも本当に判断力が低下しているのは? | 元広島ではたらく社長のblog

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六本木ヒルズや、ITベンチャーのカッコイイ社長とはいきませんが、人生半ばにして、広島で起業し、がんばっている社長の日記。日々の仕事、プライベート、本、映画、世の中の出来事についての思いをつづります。そろそろ自分の人生とは何かを考え始めた人間の等身大の毎日。

朝の情報番組で、新聞の記事を取り上げるコーナーがあり、4月8日の毎日新聞で

「高速道路の逆走事故の4割が65歳以上のドライバー」

と載っていた。

内容は、高速道路の出口から侵入したり、パーキングエリアを入ってきた方向に出たりという逆走事故のうち人身事故になった、過去3年分のうち、4割以上がが、65歳以上のドライバーだったというもの。認知症までは行かないまでも、判断力の低下する高齢者ドライバーが増えているという警告記事。


でも、ちょっと考えればおかしいことに気づく。人口比率からしたら、65以上の免許保有者って、けっこう居るはず。事故をしたドライバーが、4割くらいって、問題になるような数字なんだろうか?比率でなく絶対数?

04年が20件。

05年が12件。

06年が11件。

絶対数も増えていない。むしろ減っている。このデータから導き出せる記事の内容とは正反対だと思う。この内容だと、65歳以下のドライバーの判断力の低下を心配したほうがいい内容にならないといけない。言われてみると、パソコン・テレビゲーム・携帯電話・少しの移動も車と便利さになれて、判断力や注意力が低下しているのは若い人なのかもしれない。レジでの支払いはSUICAか、ケータイ。若い人の判断力低下のほうが記事としてはすんなり行きそうだが・・・・?


毎日新聞の記者は、高齢者ドライバーの危険性について、意見を書きたかったんだろうけど、使う材料を間違えたみたいだ。この記事を取り上げたアナウンサーもだれも、この記事の矛盾をついた人はいなかった。


日曜日の『情熱大陸』では、不肖・宮嶋でその記事が始まるカメラマン宮嶋茂樹さんを取り上げていた。オウム真理教から派生した新宗教、アレフ、そこからさらに分派した上佑史浩の新宗教の記者会見にもぐりこんだ宮嶋さんが、被写体に選んだのは、教団の人間ではなく報道関係者。教団名は変えても、人殺し集団だった人間に、恭しく頭を下げて名刺交換する記者。教団の新しい衣装を着た女性をさながらファッションショーのように、シャッターを押すカメラマン。週刊誌には、この報道関係者の体たらくが載った。宮嶋さんは、サリン事件以前からオウム真理教を追っており、カメラマンとして糾弾し、未然に事件を防げなかった悔恨を今も残している。事件の記憶が薄れていっても今だに苦しんでいる被害者が居る。そういった人のことなど忘れている同業者への宮嶋氏のきついお仕置きだった。


報道って難しい。最初の、65歳以上のドライバーの事故の記事を、ブログに感想書いている人も、皆、高齢者ドライバーは危険という結論に終始している。排除しようなんてとんでもないことかにっている人も居る。ちょっと考えれば分かる矛盾点も、一度記事になると、妄信していつの間にか一人歩き。

最近多い捏造事件、TV番組、大学教授の捏造論文。マイナスイオン、トルマリン、波動水といったニセ科学。これも、捏造してうそを流す人間が居る一方で、なんでもすんなり信じ込む受け手が多いことを物語る。


誤った報道と、それを疑わない現代人。本当に判断力が低下しているのは誰なんだろう。