令和5年度短歌年鑑より (※ 解釈文を省き、各結社短歌を紹介)
【和歌新万葉】明治四十三年創刊の月刊誌。発行人は間島誉史秀氏。
言葉なき息子に寄り添ひ四十余年暮らせる日日よ更に永くあれ 原 里子
映りゐる新技挑戦の羽生弓弦急がずに飛べと手に力入る 中島正倫
「いろは歌」の時間が来るに一年生は競ひて諳(そらん)ず「酔ひもせず」まで 信田日裕
【歌群】昭和五十五年創立の季刊誌、編集人は山本司氏。
再建を願つて一人チェロを弾くがれきの中のバッハの調べ 上原詩穂子
朝ドラをゆつくり見ているこの時もどこかで誰かが殺されている 上原詩穂子
爆撃を受けつつ母と子逃げまどういかなる理由も侵略ゆるさじ 寺下栄子
コロナ禍のさなかの酷き戦争ぞ人はたやすく悪魔と化せる 山本 司
浅き陽に辛夷の花の盛りしも「ウクライナの民」に春はいつ来る 上坂英光
オンラインの機器を持たない高齢者「デジタル化」の国に置き去りにされ 寺下栄子
ダイヤモンド婚となる朝空くもり夫は深紅のバラを剪りくる 渡辺静子
医師に対き在宅希望告げている夫よわたしの日々もきびしい 〃
※ 入会等、問い合わせは次の通りです。
〒 065-0026 札幌市東区北26東17丁目2-18
古屋 稔方 北海道歌人会 (℡ 011-783-2467)