令和5年度短歌年鑑より (※ 解釈文章を省き、各結社短歌を紹介)
【釧路歌人会誌】創立六十六年、代表は前川桂子氏。
寂光につつまれ果てのはて空へ翔びゆくみやびな一羽の白鳥 石森邑子
黒砂糖ほろりとかみて亡き人の淡き微笑みしばし思いぬ 簑島智恵子
一瞬の未来とらえて子供等はポンポンダリアの坂道をゆく 一戸陽子
生きることは傍迷惑をかけること元気で生きし母に教わる 渡辺秀子
七回忌の膳に豆汁あり白和えあり今日は酔わむか母を偲びて 小池千之
人寄れば些かなるも摩擦あり床に鎮もる水仙一花 佐々木英子
カタカナ語多くなりたる今の世に刷り込みがたく老いの身を知る 助光洋子
くづれても立ちても芍薬あかときを面冴え冴えと薄きくれなゐ 前川桂子
ちちははの住みにし家をあの夏に売ってしまへり長女のわれは 吉田桜子
娘のピアノの風の中に眠りつつこのまま遠くへいけそうである 嵯峨(辞世歌)
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古屋 稔方 北海道歌人会 (℡ 011-783-2467)