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はっとして、我に返ると
スクルージは 自分がベッドの
シーツを掴んでいることに気づきました、
あたりを見渡し自分の部屋にいることを知りました、
すでに 夜は明けていました。
「 おぉぉぉ ワシは まだ生きているぞぉぉぉお !
朝だ~! 朝だ~よ !
朝日が昇る ~♪ ズンタカタッタ ♪ 」
スクルージは 歌い踊りました。
「 いや まてよ、いつの朝だ ?
もう、クリスマスは終わったのか ? 」
窓枠へ飛びつき、窓を開け、
下を歩く子どもに話しかけました。
「 おい そこの小汚い小僧 今日は いつだ ? 」
「 けっけっけ ♪
くたばり損ないの 欲ボケのスクルージジイさん、
本当にボケたのかい ?
今日はクリスマスだよ~ ♪ 」
スクルージは今日がクリスマス当日だと知りました。
「 今日がクリスマスだって ! よし !
小僧 そこの肉屋にでっかい七面鳥があるじゃろう、
「 あるさ、今日は クリスマスだもの 」
「 すぐ肉屋の人を呼んできてくれたら、
お駄賃を あげないでもないのだが
どうする ? 」
「 呼んでくるに決まってんだろ、
約束は守れよな スクルーじじい ! 」
こどもは 駆け出しました。
「 でも あの爺さん ケチんぼなのに 変だなぁ
この世が 滅びる予兆じゃぁないよね ?
マヤ暦の終りは まだ100年以上先だし
変な疫病が 流行らなきゃいいけど 」
子供は 半信半疑で走り出しました、
それを見ながらスクルージは言いました。
「 クラチット家に贈りつけてやるんじゃ、
ティムの体より大きい 七面鳥をな !
どうせ貧乏で七面鳥など食べたことなどないじゃろ、
腹が張り裂けるくらい たべさせてやるんじゃ
そして ティムを医者に診させるんじゃ !
まだまだ 生きて この世で苦労すればいい、
そう簡単に 天国になど行かせんぞ !
そうだ ワトソン先生なら暇そうだから
すぐ 診察してくれるだろう、
今なら まだ間に合うはずじゃ ! 」
スクルージにとって、生まれて初めての
新鮮な気持ちの クリスマスが訪れました。
「 どうせ金は 生きている時にしか使えないんじゃ、
単語のスペル間違えるようなバカな政治家が
身内を太らせるような 施策ばかりして
税金を中抜きしたり
統計資料を改竄したり 粉飾決算みたいな
テキトーな政治をする
国民が飢えていても知らんぷりで
武器を買い漁って 軍国主義をすすめるような
この国に没収されるくらいなら
ワシが好きなように使うさ !
見てろよ ワシを罵る世間の奴らども ! 」
スクルージは 貧しくて
満足に食事にありつけない人々のために、
クリスマスシーズンの炊き出しをしました。
養護施設に寄付をし 基金を作り、
貧しい者のための 奨学金制度を創設し
担保のない人にも 超低金利で お金を貸しました。
今までとは真逆な行為をするスクルージに
人々は驚きました。
「 強欲じいさん
いったい どうしちまったんだ ? 」
「 西から昇ったお日様が
東に沈むんじゃないだろうな ? 」
「 何か たくらんでいるんじゃぁないのかぁ ? 」
「 政界進出とか 政商をめざすんじゃねぇの ?
税金の中抜きとか 儲かりそう 」
「 新興宗教を始めるとか ?
お布施で懐をこやして 贅沢三昧の
牧師や 僧侶の話を聞くぞ 」
「 案外 変な薬やってるんじゃねぇ~の ? 」
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「 スクルージさん、
街の人達がいろいろ噂していますよ
あの慈善行為は もっと儲けるための
偽善行為じゃないかとか 」
クラチットが 言いました
「 言わせておけ ワシは好きなようにする、
どうせ地獄に 金を持っていけるわけでもなし、
残り少ない人生じゃ、
これがワシの 世間の評価への復讐、
いや、自分自身の過去への
復 讐 じ ゃ !
この世の中に 一石を投じるのだ、
悲しい思い 悔しい思い
病気で苦しむ者 ひもじい思いをする人間を
生み出さないようにするためにな、
きっと マーレィも 喜んでくれるだろう、
こうなることを望んで 亡霊になって
ワシの夢枕に立ったのだから 」
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いつしか 善意の輪は 人々に広がり
慈しみの心を持つ者が 増えました。
やがて人々は この街が少しずつ
変わっていくのを 感じました。
今まで暗く淀んでいた町に 少しずつ光が射し
新しい風が 吹いてくるようでした。
人々は あのクリスマスの日から
奇跡が 起きたのだと思いました。
スクルージは こう言われるようになりました。
「 クリスマスの本当の祝い方だって ?
それなら スクルージさんに 聞いてみなさい、
それを 一番良く知っているのは
あの人だからね ! 」
スクルージは 忘れません、
小さなティムが言った言葉を。
そして、祈りました。
「 神様、ワシたちを 祝福して下され、
こんな世の中で嘆き 苦しむ人達に救いを
そして 世界中の すべての人に 祝福を、」
続 く