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高速艇は 王子の祖国の海岸に近づき
燃料が切れました 波に漂いながらも
王子一人を乗せた 高速船が
自国の海岸に 流れ着きました
「 おやぁ ?
見慣れない船が漂着しているぞ ! 」
漁師は海辺に乗り上げた高速艇を見つけました
「 おぉぉおおお !
この人はぁぁあああ ~! 」
王子は また あの漁師に発見され
お城に送り届けられました
再会で運命を感じ 喜んだ漁師でしたが
当然の事ですが 何かが起こるわけもなく
また褒美だけをもらい 寂しくお城を去りました
「 うぅぅ 愛しの 王子様ぁぁぁ ~ 」
。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
王子の 怪我の顛末を知った国王は
怒り心頭で強行に全面戦争を開始しようとしました
「 ごぉらぁぁああ” ~!
なめやがってぇぇええ ~!
いてもうたるぅぅうう” ~!
がぁるるぅぅぅう” ~ ! 」
。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
隣国の王室は 自国のプリンセスのしでかした
あまりといえば あまりの破廉恥な行為を
国内的に国際的にも公にされることを恐れました
「 プリンセスよ
お前はなんちゅう事をしでかしたのだ !
あまりにも 破廉恥で 恥知らず
世間体が悪いではないか 」
「 えぇ ~ べつにぃ ~
私 全然 恥ずかしくないんだけどぉ
今まで 国際紛争で たくさんの命が散ったわぁ
それに比べれば
な~んてことないわよぉ ~ 」
「 しょせん兵隊は 安い命じゃ
いくら4のうが使い捨てのチェスの駒じゃ
レッド・ポストカードで
簡単にかき集められるからのう
しかし そいつらと 王室のお前とは違うのじゃ
お前は 生まれついての恥知らずで
嘘つきで お気楽じゃが
ワシは大国の王としての立場や面子があるのじゃ
とりあえず他の国に嫁にいけ 後妻じゃがな 」
「 あっそう
じゃぁ 経済顧問の 従者を連れていきます 」
「 あぁ それも良かろう
あの男は 我が国にいないほうが良い
だいたい変態の噂もあり 無能じゃからなぁ
それから これから お前が行く その国の
国王は 暗愚だそうだ しっかり篭絡して
いずれ 我が国の属国としてしまうのじゃ
だから お前は
その尖兵として赴くのじゃ よいな ! 」
「 は~い お父様 ♪ 」
。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
「 プリンセス様 ~
な~んだか想定どおりに事が進みましたねぇ 」
「 まぁ いいわ 過去は忘れて 今度は別の国で
ひと暴れしてやるわ お~ほっほほほほ ♪ 」
「 また プリンセス様のせいで
酷いお話になりそうですなぁ うひひひ ♪ 」
「 お前も 荷担するんだよ !
気ぃぬくんじゃぁ無いよ !
お~ほっほほほほ ♪ 」
「 また きれいな若い娘を
ひどい目に合わせようと思ってるんでしょう ?
いけず 悪女 鬼畜 サディスト
うっひひひ ♪ 」
「 美人で 若い娘は
生かしておくわけにはいかないのさ
私のプライドが許さないのさ
お~ほっほほほほ♪ 」
「 どうして若い娘に敵愾心を燃やすのでしょう ?
歳にあらがおうと
悪あがきしているのでしょうかねぇ
自己中心的で醜いですね
老醜って事でしょうか ?
次の国では 違うお話だけど
雪のように白い肌の綺麗なお姫様がいるようですから
すっごく残忍にイジメられちゃいそうですよ ~
わたくしめのファンの 女子小中高生の皆さんや
サディストで外道の皆さんも お楽しみにね ~
まぁ 誰も期待してないだろうけどね ~
うっひひひひひひひひひひひひ ~♪
げほほほっ ! 」
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そんなわけで 隣国は プリンセスを
国外追放と称して 別の国の王に
後妻として 無理やり押し付け
うやむやなうちに 拉致事件は処理されました
一方 王子へは謝罪の使者を遣わし
多額の 賠償金を支払いました
国王は渋々ながら 平和を強く望む
王子の意見を聞き入れ
正式に和平条約を 締結する事となりました
。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
衰弱していた王子は 手厚い看護を受け
日一日と 快方に向かい
また海岸を散歩できるまでに体力も回復しました
今度はシークレットサービスが
密かに護衛していました
「 サファイア
お前は 何処に行ってしまったんだ 、、、 」
彼女によって 命を救われたことは
身体に付けられていた
見たことのない機械によって 想像がつきました
王子が想う事は 人魚姫の事だけでした
「 サファイアは 生きているのだろうか ? 」
毎日毎日 王子は サファイアの面影を求め
あてどなく 海岸線を歩きまわり
打ち寄せる波に 眼を凝らしました
ある日 波打ち際に佇む
一人の 少女の姿がありました
王子は 夢中で 駆け寄りました
「 サファイア ~! 」
少女は王子の声に 驚き 振り向きました
「 それは 私の 名前なのですか ? 」
「 こっ 声が 出せるのかい ? 」
「 はい 、、、 でも 、、、 」
「 で も ? 」
「 気づいた時 私は ここに いました
でも 私は 自分が誰なのか
どこから来たのか
分からないのです 、、、 」
「 記憶を 失ったのだね 、、、 」
「 全てが ぼんやりと
霧の中のようで 、、、 」
何かを 思い出そうとするかのように
海を見つめ 彼女は つぶやきました
「 僕の話を 聞いてくれるかい ? 」
王子は 言いました
少女は 少し考えて 頷きました
「 何故か とても懐かしい 感じがします
それは 胸を きつく 絞めつけられるように
悲しくて 切なくて
で も どこか
暖かくて 優しくて
嬉しくて 、、、、、、
私は 前に 貴方と
逢ったことが あるのですか ? 」
「 あ ぁ
もちろん だとも
まずは 何から
話したら いいのだろう 」
少女は不思議そうに 王子の顔を見つめました
そして少女も 微笑をうかべました
少女の 深く 蒼く 透き通る瞳には
王子の顔が 映しだされました
王子の顔には 笑顔が溢れ
頬には 光るものが流れました
王子を護衛しているシークレットサービスが
物陰で密かに すすり泣いていました
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時間を さかのぼります
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必死の思いで サファイアの姉達は
高速艇の 後を追いました
ナノマシーン・システムを 渡したとしても
どんな結果になるか わかりません
見届ける為にも 姉たちは
サファイアの後を 追っていたのです
長い距離を 追い続けました
「 あああっ ! あれは ! 」
姉たちは 船から身を投げ
海中を漂っていたサファイアの姿を見つけました
「 あぁ サファイア ! 」
「 意識が 無いわ ! 」
「 サファイア しっかりして ! 」
「 サファイア 何故 ? 」
「 もしかすると 王子様のために
ナノマシーンを
逆の使い方をしたのでは ? 」
「 自分の血液を 王子様に 輸血したのね 」
「 何ということを 自分の命を捨ててまで
彼を 助けたということ ? 」
「 それほどまでに 愛していたのね 」
「 えぇ !
では サファイアは もう助からないの ? 」
「 この場所からでは 医療機関まで
どれだけ時間がかかるか
もう サファイアの身体は
もたないでしょう 、、、、、 」
「 あぁ 可哀想な サファイア 、、、、 」
<< ざ ぁ ば ~ ん ! >>
その時 特殊推進装置を 身体につけた科学者が
後方から 現れました
「 やれやれ やっと追いついたわ ~ 」
「 あっ 貴女は ナノシステム開発の科学者 」
「 はいはい 話は後で
このボディバッグに早く 彼女を入れなさい 」
「 えっ ? 」
「 万が一の事を考え 肉体機能保持用の
ボディバックを持ってきました
低体温状態にして
細胞の崩壊を遅らせる薬剤で身体を包み
時間を稼ぐことができます 」
人魚姫は 姉たちの手によって
ボティバッグに入れられました
人魚姫の身体は 肉体機能保持のための
特殊な泡に包まれました
「 サファイア しっかりするのよ 」
「 がんばって ! 」
「 生きるのよ ! 」
姉たちは ボディバッグの中の
サファイアに声をかけます
「 サファイアは 自分の命よりも
王子の命を 優先したようなのです 」
「 なるほど 強い愛が なせる行為ですね 」
「 このままでは サファイアが可哀想すぎます 」
「 王子様への想いは ただ 海の泡のように
消えてしまうでしょうか ? 」
「 分かりました 、、、、、
では 彼女の想いを 遂げさせるために
また 遺伝子的肉体改造をしましょう
今度は 完全な人間体として 」
「 そんな事が 出来るのですか ? 」
「 先ごろ人間の女性の
DNAサンプルを手に入れました
王子とは違うDNAで肉体を再構成しましょう 」
「 と いうと ? 」
「 今は 王子と同じDNAで
兄妹 双子にも等しいのですが
今度は 遺伝子的に別の女性になるのです 」
「 それは どういう事でしょうか ? 」
「 遺伝子的に 兄妹という関係では
先行き 問題があるでしょうね 」
「 では 王子様と
結婚も出来ると言うことなのでしょうか ? 」
「 そうです
開発中の 新しい技術ですから
時間は かかるでしょう
でも 彼女の望みを
何としても叶えてあげたくなったのです 」
「 それで サファイアは
幸せになれるのでしょうか ? 」
「 彼女は自ら望み 自身の幸せを追求しました 」
「 人魚が 野蛮な人間社会で
生きて行く事は辛いのでは ? 」
「 そのために 彼女の 人魚としての記憶は
封印してしまわなくては
いけないかもかも知れませんね 」
「 サファイアは人として生まれ変わるのですね 」
「 そうです 彼女が 新しい人生を歩むために
愛を 成就するために
これから 『 再生 』 を 、、、
いえ人として 『 新生 』 するのです 」
サファイアの姉たちは 歓喜の声をあげました
「 サファイア あなたは 生まれ出た水の世界を去り
これから空気の世界の住人になるのですね 」
「 あなたが 地上に立った時
その美しい魂と その美しい声を
優しい風に 乗せ
崇高な愛のために 祈りを捧げてください 」
「 自らの 幸せだけではなく
世界中の 恋人たちの
恋の行方を 見守りながら 」
「 美しく 素晴らしい 恋も
悲しく 報われぬ 恋も 」
「 等しく すべての 恋を 、、、、、 」
姉たちは サファイアに 語りかけました
ボディバッグの中の サファイアは
幸せに包まれて 微笑んでいるかのようでした
「 なんだか 魔女と言われる私も歳のせいか
仏心が 出るようになってしまったようです
やっぱり ハッピーエンドが良いですからね
そうでしょう ?
ねぇ みなさん うふふっ ♪ 」
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ある吉日
蒼い蒼い空の下
青い青い海に ほど近い
とある国の お城で
王子様と 宝石のような瞳の少女との
華燭の典が挙げられました
おしまい