「 やだなぁ ~ やれやれ 、
なんで 人の世界でも 小人の世界でも
争いは 絶えないんだろうなぁ ? 」
国民の期待を背に ガリバーは
渋々 不満たらたら 敵艦隊に向かいました。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20200616/22/ff22302370/6d/d8/j/o0300041214775230276.jpg?caw=800)
「 ねぇ お願いだから
あんたら 帰ってくれない ? 」
敵艦隊に、ガリバーは言いました。
「 わぁぁあああ、大巨人だあ ~~! 」
「 おまけに ものすごい ぶっさいくだ ~! 」
「 恐るべき 醜悪な 巨人兵だ ! 」
初めて見る小山のようなガリバーを見て
敵国の小人たちは 恐怖感をおぼえました。
「 オイラ 争いは 嫌いなのよ 戦争はやめようよ 」
「 何を言う ! 化け物め ! ブサイクめ !
お前の言うことなど聞けるものか ! 」
ガリバーは プライドを傷つけられました。
「 そんな顔の事 言うなよぉ~
ブサイクなのは 親に言ってくれよぉ ~!
それと 人の話は 素直に聞いたほうがいいよ 」
「 う る さ ~ い !
そんな間抜け顔の怪物の 説教は聞かない !
全艦で 総攻撃だ ~! いてもうたる~ ! 」
「 おいおい 手荒なマネは やめようよぅ 」
「 全艦 攻撃開始 ! 」
連合艦隊は全力で 大砲を撃ってきました。
< ずど~ん ! ずど~ん ! ずど~ん ! >
「 ぎゃぁははは ♪
跡形もなく 吹き飛ばしてやるわ !」
< ずど~ん ! ずど~ん ! ずど~ん ! >
「 どんなもんだ 砲撃の威力を見たか ~! 」
しかし ガリバーには
小石が当たるくらいの感覚でしかありません。
「 いてて いてて ! あぁぁあ もぅ ! 」
ガリバーは 身をよじりました。
「 ちぇっ せっかく 穏便にすまそうと思ったのにぃ~
オイラだって 怒るよ プンプン ! 」
ガリバーは 陸に戻り 抱えられるほどの
適当な大きさの岩石を 抱えました。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20200614/20/ff22302370/6f/d9/p/o0300028314774188191.png?caw=800)
そして、抱えた岩石を持ち上げて
海面に投げつけました。
<<< ド ッ ボ ~ ン ! >>>
岩石は巨大な波を起こし、敵艦隊は大揺れしました。
「 うわぁぁぁああ ! 大波がぁぁあああ ~! 」
「 ひぃぃぃいいい ~! 」
「 どひゃぁぁ ! どんぶらこ どんぶらこ ~! 」
「 どうだ 次は 船に当てちゃうよ 」
ガリバーは 醜く顔を歪めて 威嚇しました。
「 やば~い ! 沈められるぞ ~! 」
「 まるで 神話の ゴーレムのようだ 恐ろしい 」
「 えぇい ! 怯むな ! 砲撃を続けるんだ ! 」
< ずど~ん ! ずど~ん ! ずど~ん ! >
「 いてて いてて ! いたいってば ! 」
「 おう ! 効いてるぞ、もっと撃て ~! 」
「 もう ホントに 怒ったぞ ~! 」
ガリバーは くるりと 敵艦隊に背を向けました。
「 おぉ ! 巨人兵が 怯んだぞ
我々の勝利は近いぞ ! うははっはほ ♪ 」
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20200616/22/ff22302370/7d/3e/j/o0640048014775237402.jpg?caw=800)
<< ブ ォ ォ オ オオオオオ ~~ ! >>
その時 ガリバーの臀部から
強烈な ガスが 噴射されました 。
「 うわぁぁあ ! 暴風だぁぁあ ~! 」
「 ぎゃぁぁああ ! クッサイ~! 」
「 毒ガスを 噴出した ~! 」
「 こっ 呼吸がぁああああ ~! 」
「 やばい 吸い込むと 死ぬかも ~! 」
「 ひとまず、引き返そう ! 」
「 それがいい 」
「 化け物め 覚えてやがれ ! 」
「 今日は このへんで 勘弁してやる ~! 」
「 全 艦 転 進 ~! 」
連合艦隊は 大混乱の中、慌てて逃げ帰りました。
「 すごい ! 敵の船を 追い返したぞ ! 」
「 ばんざい、ばんざい、
ガリバー、ばんざぁぁい ~ ! 」
「 とんだ間抜け顔だが やるときゃやるねぇ ! 」
「 今後も 祖国の防衛を 頼むぞ ~! 」
「 いよ ! 大巨人 ! 」
国民は 大喜びで ガリバーを褒め称えました。
ガリバーさえいれば、
この国の平和も万全だと 皆が思いました。
< ぐっぐぅぅうううう ~♪ >
「 あぁ 腹の虫が鳴いた ~!
勲章より 腹いっぱい飯が くいたいなぁ ~ 」
少し運動をしたので、ガリバーは空腹です。
続 く