偽作 白雪姫 8 | 藤花のブログ 詩と

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この胸に 湧き上がる気持ちを 言葉にして あなたに贈りたい





 王妃の配下の老女が 

お城へ報告に戻りました 

「 これこれ しかじか 」

「 そうですか 白雪は 死んだのですね 」

「 はい 葬式が行われていました 

  白雪姫が 棺に横たわっているのを 

  近くの木によじ登り 老眼で乱視ですが

  この眼で しかと見ました 」

「 さぞや白雪は 毒で苦しんだでしょうね

  お~っほほほほほほっ ♪ 」

「 おそらくは あっという間に意識を失い

  絶命したでしょう とても綺麗なお顔でした 」

「 あっ そう ~ ふ~ん

  白雪が 悶絶しなかったのは悔しいけど

  亡き者になったんだから もう どうでもいいわ

  あぁ とても気分がいいわ

  ウキウキ 血が沸き立つようね

  踊ろうかしら レッツ・ダンシング

  白雪追悼宴会でも開きたいわねぇ ♪

 ♪ ウキキキィ ♪ 」

「 たいへん お喜びのご様子

  私も嬉しく思います 」


「 あぁ ところで 墓を掘り返し棺を暴いて

  心臓を えぐりだしたのですか ? 」

「 それが たまたま隣国の王子が通りかかりまして

  若くして死んだ 綺麗な白雪姫を

  哀れと思ったのか 

  自国の お城の近くの墓地に

  埋葬するという話になり

  棺は 隣国に運ばれました 」

「 なにぃいい ~!!

  この国のプリンセスと知っての事ですか ? 」

「 いぇ そうではないらしいです 

  若くて誰もが魅了される白雪姫ですから

  御遺体とはいえ 綺麗なので

  気に入ったのではないでしょうか ? 」

「 まさか その王子は 死体愛好癖が

  あるのではないでしょうね ? 

  変態行為に及ぶのでは無いでしょうねぇ

  怖いわねぇ おほほほほっ ♪ 」

「 それは なんとも 、、 

  趣味は 人それぞれですからねぇ 」 

  と老婆
 
  それを聞き 鏡の裏の従者が

  うなずきながら 口を挟みました

「 わたくしめの趣味は 手鏡での覗き

  王妃様の性癖は どS ですよね 

  王子は いかなる趣味をお持ちなのでしょう ? 

  白雪姫を剥製にでもして

  飾ったりたら怖いですねぇ 

  もしくは ブードゥー呪術で

  ゾンビにして かしずかせていたりして 」

「 話しの途中に うるさいよ ! 

  気持ち悪いことを言うな !

  夜 一人でトイレに行けなくなるわ !

  おねしょしたら どうすんだ !

  お前は 荒縄で縛り上げられて 

  ムチで ぶっ叩かれたいのか~い ?

  それとも三角木馬で

  いたぶってあげようか~ ? 」

「 そっ それは また別の機会に

  痛いの嫌いなんですよぉおお ~ 、、、 」

「 私は 繊細な神経の持ち主なんだよ ! 」

「 えぇ ?

  綺麗で清楚で国民的敬愛の的

  若く美しい白雪姫を 無慈悲にも 

  むごたらしい暗殺を謀っておきながら

  繊細な神経は 無いかと思いますがねぇ ~

  なに言ってるんでしょう 

  ちゃんちゃら おかしいですなぁ

  うっひひひ ♪ 」


<<  び し っ ! >>





「 ぎゃぁぁああ ! 

  王妃様 ~ 本物のムチは反則ですよぉ ~ 

  達人のムチは 音速を超えることもある

  恐ろしい武器なんですよ 

  SMプレイのバラ鞭とは 違うんですよ ~ 」




  王妃は 老女に聞きました

「 それでは 白雪の心臓を 

  えぐり出すことは 出来ないのですね 」

「 残念ながら

  今からでは 腐敗している恐れがあり

  食用には適さないのではないかと 」

「 ミンチにして ハンバーガーを作り 

  王様に 食べさせようと考えていたのですよ

  ホワイト・ソースをかけて

  とろけるチーズを乗せてね 

  濃厚な味になるのにねぇ

  お~ほっほほほほ ♪ 」





「 それは さぞや 美味しくできたでしょうね

  ご期待に添えず 申し訳ありません 」

「 まあよい どうせ 小生意気で 御しがたい 

  有色人種に 何ら配慮しない

  シミ ソバカス シワの無い

  白い肌を鼻にかけたような

  食えない 嫌味な小娘だったんだから

  棺の中で 死斑だらけになって

  ゆっくり 醜く 朽ち果てるがいいわ

  老婆よ ご苦労だったね 

  一応 褒めてあげましょう 」

「 はい ありがとうございます

  では報酬の残金 銀貨16枚をお願いします 」

「 おい ! 残金 払ってやりなさい 」

「 はい じゃぁ 手を出して

  銀貨が 1枚 2枚 3枚 、、、 」

「 ありがたや ありがたや 」

「 7枚 8枚 、、 今 なん時だい ? 」

「 はい 夜の9時頃ですが 」

「 10枚 11枚 、、 」

「 こら ~!

  ごまかして払うんじゃないよ ! 」
 
「 あらぁ わかっちゃいましたかぁ

  1枚あれば 生活が楽になるんですよ

  安月給なもので つい てへぺろ 、、、 」


<<  びしっ ! >>

「 ひ ゃ ぁ ぁ ~! 

  ムチはやめてぇぇええ ~! 」


「 あとは 国民を反抗させないように 

  三人寄ったら 共同謀議罪を 適用して

  町内会相互密告制度を 徹底させ

  王室内の権力を 完全掌握して

  ゆくゆくは時期を見て 王を亡き者にすれば 

  この国は 私の思うがまま

  近い内に 我が母国に併合して

  田舎臭い国だから 自然の森は全部伐採して

  アウトレットや レジャーランドや

  カジノでも作り

  国民は わが母国のために奴隷にして

  死ぬまで こき使ってやりましょう 」
   
  王妃は 野望が着々と進んでいることに満足し
  
  つい 地を出して外卑た笑いをしました


 「 げひ げひ げひひ~ぃん ♪ 」


       続 く