、
「 おはよう ばぁさんや
テレビをつけてくれないか 」
「 はい はい 」
「 ニュースは見なくても
朝の連続ドラマの 続きだけは
見ないといけないからねぇ 」
「 そうですね 長年見てきましたからねぇ 」
「 今回も主人公と その妹達が可愛いんじゃ
薄幸そうな母親も まだまだいけるよねぇ ぐふふ ♪ 」
「 いやですねぇ いい年して すけべじじいなんだから
私は しゅっとした顔の 父親役が好きでしたよ
もう 亡くなった設定で 出番が無いですけどね 」
「 さぁ ピチピチの若いおねぇちゃん見よう うひょひょ ♪ 」
< パ チ ッ ! >
< ザ ~ ! >
「 おや ? 映らないねぇ ? 」
「 変ですねぇ ? 」
「 砂嵐 だねぇ 」
「 砂嵐ですねぇ 」
「 故障 かなぁ ? 」
「 こまりましたねぇ 」
「 困ったもんだねぇ
随分前に さかんに
” ち ” で ” ぢ ” が どうの
” アナ ” が どうのと 言っていたなぁ 」
「 わたしら 年寄りには
何のことやら さっぱり わかりませんねぇ
だから 言われるままに テレビもアンテナも
その時に 新しくしたじゃないですか 」
「 ついでに太陽光発電も 取り付けたよなぁ 」
「 高かったけど もしもの停電時でも安心ですよねぇ 」
「 あぁぁ ~
朝から 若いおねぇちゃんの顔が見たいのに 」
「 おぼえてますか ? わたしも昔は若かったんですよ 」
「 今じゃぁ 砂かけばばぁのようじゃ 困ったもんじゃのう 」
「 なんですってぇ ~ !?
あなただって 子泣き爺みたいな
顔してるくせにぃぃいい ~ !
今すぐ あなたの 息の根を
止 め ま す よ ~ ! 」
「 うげげげ ~ くるしぃぃ ~
おい ! ちょっと待て 外を見てみろよ ! 」
「 何ですか ? 若い娘でもいるんですか ? 」
「 そうじゃない ! あ れ ! ほら 遠くに 」
「 遠くに なんですかぁ ? 」
「 きっ 巨大な キ ノ コ 雲 がぁぁ 、、、、 」
こんな未来が来ませんように