偽作 不思議の国のアリス 31 | 藤花のブログ 詩と

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この胸に 湧き上がる気持ちを 言葉にして あなたに贈りたい



  アリスと白ウサギの話は 中断されてしまいました。

  皆が 大急ぎでダタバタ駈けだし、

  あちこちで 出会い頭の衝突が起きています。

  しかし皆 ペラペラの薄っぺらなので 怪我は無さそうです。


  やがて、皆 それぞれの位置について試合開始です。


「 こんな 変なクロケー場は 今まで見たこともないわ !

  そこいらが うねったり 溝だったり、

  ちゃんと グランドキーパー雇えちゅうの ! 」


  玉は 生きたアナグマでした、

  アナグマを打つマレットは 生きたフラミンゴです、

  そして兵士たちが 体を曲げて四つんばいになって、

  クロケーのゲートをしているのです。


  アリスもゲームに参加しました、

  見たことがあるのでルールーは だいたい知っていました。
 
   アリスは、フラミンゴの体を 腕の下に押さえつけました、

  フラミンゴの首を伸ばさせて、 

  頭で玉代わりのアナグマを叩こうとしました。

  フラミンゴは 首をねじって、アリスの顔を睨みます。


「  お い ! 

   何だったって オイラの頭を

  マレットの代わりに使うんだよ ! 」


「 だって ここのローカル・ルールでは そうみたいよ 」


「 明らかな動物虐待だと思うぞ !

  C~シェパ~ドが 黙っちゃいないぞ ! 」


「 大丈夫、彼らは海洋生物の 

  イルカやクジラしか相手にしないから、

  あなたは 希少生物でもないし、

  せいぜい 脳震盪起こさないよう頑張ってね 」

  不遜なアリスは フラミンゴを フルスイングで ふらみんご。 
 

<  ぶ~ん ! >

<  すこっ ! >


  頭をアライグマに ぶつけられてはたまらないと、

  フラミンゴは 首を曲げ頭を動かします。


「 動いちゃ ダメじゃん ! 」


「 オイラの身にもなってくれよ ~ 」


「 勝負に 私情は禁物よ ! ちゃ~ しゅ~ め~ん ! 」


  アリスは何回も何回も、フラミンゴの頭でスイングしました、

  さすがに頭に血が昇ったのか フラミンゴはぐったりしました。


「 良し、今が チャンス ! 」


  アリスは渾身の力を込め フラミンゴの頭を振りました。


<  す こ っ  >


  しかし、時すでに遅く、アナグマが動き出してしまいました。


「 ちょいと ! アナグマさん、 動かないでよ ~! 」

  アリスは 怒りました。


「 わしは 丸まっているのに飽きてしまったよ 」

   と アナグマ。


  四つんばいになっていた兵士たちも、

  起き上がり、クロケー場を勝手に、

  ウロチョロ動きまわっています。

  アリスは、これでゲームが成立するものなのか考えました。


   参加者たちは、自分の順番を待つこと無く、

  勝手に玉代わりのアナグマを打っては、

  わぁわぁぶぅぶぅと言い争い、

  アナグマを取り合いケンカしてます。

  女王は その混乱に怒って、あちこち駆けまわっては、


「 あ奴の首を ちょん切れ ! 」 

「 こ奴の首を ちょん切れ ! 」 

「 誰の首でもいいから ちょん切れ ! 」

  と、さかんに わめいています。

  アリスは 少しブルーな気持ちになりました。


「 お魚だって 尾頭付きが ありがたがられるのにねぇ 」

  感情のままに 首を刎ねる事は、

  あまり、褒められたことではありません。

「 首を切られたら 失くさないように、

  おでこにでも 名前を書いておかないといけないかも、

  でも、拾われたら 自分の住所を言えばいいのかしら ? 」

  と アリス。

  女王が首切りを命じる理由を考えてみました。  

 
「 何で、そんなに首切りが大好きなのよ ?

  この国じゃぁ まだ 生き残っているほうが

  不思議ってもんだわ。  

  女王は、ドクロを集めて、

  コレクションしてるんじゃないでしょうね

  まさか首刈り族かぁ ?

  もっとも 古今東西 過去現在 、

  独裁者は 殺戮が好きなモノなのよねぇ、

  権力は 精神を蝕むんだわ、

  アジアの 太っちょ3代目独裁者とかね。

  もっとも 彼自身の 『 首 』 を狩る

  計画があるっていうじゃない、

  その時になって悔い改めても遅いわよねぇ、

  うふふふふふふふふ ♪ 」

   


       続 く