偽作 不思議の国のアリス 27 | 藤花のブログ 詩と

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この胸に 湧き上がる気持ちを 言葉にして あなたに贈りたい




  入り口の扉から入ると そこはバラ園でした。

「 あれっ ? 思っていたのとちょっと違うわ、

  最初に覗いた噴水のある 

  色とりどりの 綺麗な花園とは違うみたい 」


  そこには見事な花をつけた 大きなバラの木が立っています。

  庭師が三人、わざわざ白バラを赤く塗り直していました。


「 なんで 赤く塗っているのかしら ? 」

  アリスは 近くに寄って見ました。


  庭師の一人が 言いました。


「 おい 『 5 』 気ぃつけな ! 

  おれをペンキだらけにしやがって ! 」


「 しょうがないよねぇ ~

  おいら 庭師だもん、ペンキ屋さんじゃないも~ん、

 『 7 』 が 肘を押したんだよ 」

  と 『 5 』 は言いました。


「『 5 』! いつも 人のせいにしやがって ! 」

 『 7 』 が言いました。


「 おまえは くっちゃべってんじゃないよ ! 」 

  と 『 5 』。

「 女王様が 昨日も、

  お前の首を ちょん切ってやるって言ってたぞ 」

  と 『 7 』


「 どうして ? 」

  と 『 2 』。 


「『 2 』 ! お前に関係ないね 」

  と 『 7 』。


「 関係、大ありの こんこんちきだい ! 

  お前が コックに、タマネギと間違えて

  チューリップの球根を持ってったからだぞ 」

  と 『 5 』。


「 煮込んじゃえば 変わりないだろうが、

  チューリップは比較的毒性が低いんだい、

  でも、良い子は真似して料理しないでね。

  ラッパ水仙でなくて良かったろうが、

  ラッパ水仙の球根は タマネギに似てるし、

  それを食した人が中毒を起こしたり、

  死亡した事例もあるぞ 」

 
「 間違えたくせに、言い訳すんな ! 

  黙って聞いてりゃ ~! おんどれ ~! 」

  と 『 7 』 が言いかけたところで
 
  アリスが側にいるのに気が付きました。


「 これは これは お客様 」

  彼らは うやうやしくアリスに お辞儀をしました。

「 ちょっと お尋ねしますけど、

  なぜ 白バラに 赤ペンキを塗ってるんですか ? 」

  と アリス。

『 5 』 と 『 7 』 は 『 2 』 を見ます。


『 2 』 は、ひそひそ小さな声で言いました。


「 なぜかと申しますとぉ、

  女王様は 真っ赤な鮮血の色のバラが お好き、

  本来は 赤いバラの木の予定だったんですがぁ、

  発注ミスで 白い薔薇の苗を植えちゃったんですよぉ。

  女王様は 人に厳しく自分にやさしいという、

  人の上に立つ者の 典型的な強者の論理感の持ち主です。

  もし女王様に見られたらぁ、

  全員、首を切られちゃいますぅ、

  解雇という意味じゃなくぅ、

  本当に 首をぉ ちょん切られちまうんですよぉ ~。

  だから 女王様がおいでになる前にぃ

  色を変えておかないとぉ ~ 」


「 まぁ 権力者には ありがちな話よねぇ、

  弱い者を締め付けるのが好きなのよ、

  側近を 機関銃でミンチ肉にするのが好きな

  変な髪型の 脂肪過多三代目もそうよ、

  自分の権力を見せつけるようにね。

『 私が 立法府の長だ ! 』

  なんて 間違ったことを のうのうと発言する

  自信たっぷりの どこかの首相もいたわ。

  強者には優遇、仲間の不正に何かと お目こぼしして、

  弱い立場の者から絞り上げて 養分にするのよ。

  そして権力は 精神の腐敗を生みがちよねぇ。

  極東の島国の政治屋さんのトップは

  外遊して おカネを外国にバラまいてるようね、

  他の国に良いかっこしたいだけなんだわ、

  他国から評価されることばかり考えているのよねぇ、

  自国の庶民のことは 脳みその片隅にも存在しないのね。

  そうそうその島国の首都の首長も

  公私混同したりしていたっていうじゃない ? 

  正月から家族連れで温泉宿で会議 ? 

  ヤフオクで 資料目的で絵画収集、

  自家用車2台、政治規制法基準以下で領収書を切らせ、

  ちゃっかり私用に使用に使ってるようね。

  もっと ほじくれば色々 ボロが出てくるわね。

  さすが ねずみ男と揶揄されるのは伊達じゃないわねぇ、

  釈明会見を開いたけど、時間稼ぎ見え見えね、

  弁護士と 辻褄合わせを企んでるわ、

  ちゃんちゃら おかしいわよね。

  元女房の国会議員にも 人格攻撃されてるわ、

  もっとも元女房も批判の矢面に

  さらされることも多いんだけどね。

  離婚したけど、きっと似たもの夫婦だったのね、

  互いに 醜いところを これでもか ~って

  見せ付け合っていたんだわ、ふふふ ♪  

  どこの国でもトップが変な人になると怖いわよねぇ。

  ホントに大丈夫なのかしら ?  


「 おい! 女王様だ ! 女王様が来たぞ ! 」

『 5 』 が言いました。


  庭師たちは、顔を下に地面に伏してしまいました。

  足音が 聞こえてきました。


「 おっ 女王様のおなりかぁ どれどれ ? 」

  と お気楽なアリス。

   棒を持った兵士が10名。

  皆、庭師三名と 同じ形です。

  薄い長方形で、四方の角から手と足が出ています。

  続いて 廷臣たち 10名。

  彼らは、ダイヤモンドで全身を飾っていました。

  次に王様の子供たち。

  子供たちは10名いて、手を繋ぎ 楽しげに歩いています。

  みんなハートの飾りが付いています。

  次は 来客たちです、

  大方が王様や女王様たちです。


「 あぁぁ ~! あいつめぇぇえ ~! 」


  アリスは 一群の中に あの白ウサギを見つけました。

  早口でしゃべり、笑いながら、

  アリスに気付かずに 通り過ぎました。


      続 く