、
入り口の扉から入ると そこはバラ園でした。
「 あれっ ? 思っていたのとちょっと違うわ、
最初に覗いた噴水のある
色とりどりの 綺麗な花園とは違うみたい 」
そこには見事な花をつけた 大きなバラの木が立っています。
庭師が三人、わざわざ白バラを赤く塗り直していました。
「 なんで 赤く塗っているのかしら ? 」
アリスは 近くに寄って見ました。
庭師の一人が 言いました。
「 おい 『 5 』 気ぃつけな !
おれをペンキだらけにしやがって ! 」
「 しょうがないよねぇ ~
おいら 庭師だもん、ペンキ屋さんじゃないも~ん、
『 7 』 が 肘を押したんだよ 」
と 『 5 』 は言いました。
「『 5 』! いつも 人のせいにしやがって ! 」
『 7 』 が言いました。
「 おまえは くっちゃべってんじゃないよ ! 」
と 『 5 』。
「 女王様が 昨日も、
お前の首を ちょん切ってやるって言ってたぞ 」
と 『 7 』
「 どうして ? 」
と 『 2 』。
「『 2 』 ! お前に関係ないね 」
と 『 7 』。
「 関係、大ありの こんこんちきだい !
お前が コックに、タマネギと間違えて
チューリップの球根を持ってったからだぞ 」
と 『 5 』。
「 煮込んじゃえば 変わりないだろうが、
チューリップは比較的毒性が低いんだい、
でも、良い子は真似して料理しないでね。
ラッパ水仙でなくて良かったろうが、
ラッパ水仙の球根は タマネギに似てるし、
それを食した人が中毒を起こしたり、
死亡した事例もあるぞ 」
「 間違えたくせに、言い訳すんな !
黙って聞いてりゃ ~! おんどれ ~! 」
と 『 7 』 が言いかけたところで
アリスが側にいるのに気が付きました。
「 これは これは お客様 」
彼らは うやうやしくアリスに お辞儀をしました。
「 ちょっと お尋ねしますけど、
なぜ 白バラに 赤ペンキを塗ってるんですか ? 」
と アリス。
『 5 』 と 『 7 』 は 『 2 』 を見ます。
『 2 』 は、ひそひそ小さな声で言いました。
「 なぜかと申しますとぉ、
女王様は 真っ赤な鮮血の色のバラが お好き、
本来は 赤いバラの木の予定だったんですがぁ、
発注ミスで 白い薔薇の苗を植えちゃったんですよぉ。
女王様は 人に厳しく自分にやさしいという、
人の上に立つ者の 典型的な強者の論理感の持ち主です。
もし女王様に見られたらぁ、
全員、首を切られちゃいますぅ、
解雇という意味じゃなくぅ、
本当に 首をぉ ちょん切られちまうんですよぉ ~。
だから 女王様がおいでになる前にぃ
色を変えておかないとぉ ~ 」
「 まぁ 権力者には ありがちな話よねぇ、
弱い者を締め付けるのが好きなのよ、
側近を 機関銃でミンチ肉にするのが好きな
変な髪型の 脂肪過多三代目もそうよ、
自分の権力を見せつけるようにね。
『 私が 立法府の長だ ! 』
なんて 間違ったことを のうのうと発言する
自信たっぷりの どこかの首相もいたわ。
強者には優遇、仲間の不正に何かと お目こぼしして、
弱い立場の者から絞り上げて 養分にするのよ。
そして権力は 精神の腐敗を生みがちよねぇ。
極東の島国の政治屋さんのトップは
外遊して おカネを外国にバラまいてるようね、
他の国に良いかっこしたいだけなんだわ、
他国から評価されることばかり考えているのよねぇ、
自国の庶民のことは 脳みその片隅にも存在しないのね。
そうそうその島国の首都の首長も
公私混同したりしていたっていうじゃない ?
正月から家族連れで温泉宿で会議 ?
ヤフオクで 資料目的で絵画収集、
自家用車2台、政治規制法基準以下で領収書を切らせ、
ちゃっかり私用に使用に使ってるようね。
もっと ほじくれば色々 ボロが出てくるわね。
さすが ねずみ男と揶揄されるのは伊達じゃないわねぇ、
釈明会見を開いたけど、時間稼ぎ見え見えね、
弁護士と 辻褄合わせを企んでるわ、
ちゃんちゃら おかしいわよね。
元女房の国会議員にも 人格攻撃されてるわ、
もっとも元女房も批判の矢面に
さらされることも多いんだけどね。
離婚したけど、きっと似たもの夫婦だったのね、
互いに 醜いところを これでもか ~って
見せ付け合っていたんだわ、ふふふ ♪
どこの国でもトップが変な人になると怖いわよねぇ。
ホントに大丈夫なのかしら ?
「 おい! 女王様だ ! 女王様が来たぞ ! 」
『 5 』 が言いました。
庭師たちは、顔を下に地面に伏してしまいました。
足音が 聞こえてきました。
「 おっ 女王様のおなりかぁ どれどれ ? 」
と お気楽なアリス。
棒を持った兵士が10名。
皆、庭師三名と 同じ形です。
薄い長方形で、四方の角から手と足が出ています。
続いて 廷臣たち 10名。
彼らは、ダイヤモンドで全身を飾っていました。
次に王様の子供たち。
子供たちは10名いて、手を繋ぎ 楽しげに歩いています。
みんなハートの飾りが付いています。
次は 来客たちです、
大方が王様や女王様たちです。
「 あぁぁ ~! あいつめぇぇえ ~! 」
アリスは 一群の中に あの白ウサギを見つけました。
早口でしゃべり、笑いながら、
アリスに気付かずに 通り過ぎました。
続 く